【富田林市】8月26日からあべのハルカスビル内、11階のアートギャラリーで展示会/寺内町から和のアートを世界に発信する今昔の玉手箱のカメイミチヨさん

インタビュー記事
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富田林寺内町でアトリエ兼ギャラリーを開設している、アーティストのカメイミチヨ(亀井美千代)さん。あべのハルカス近鉄本店タワー館11階のアートギャラリーで「カメイミチヨ切り絵展」が、本日2026年8月26日(水)から始まります。

この個展は、本日から9月1日(火)までの期間、10:00〜20:00(最終日15:00閉場)で、近鉄本店タワー館11階アートギャラリーで開催されます。近鉄南大阪線の起点、阿部野橋駅直結で最終日を除き20時まで開いているとのこと。

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今回の展示会では、画像の「好奇神」を始め、大小含め、ほぼ新作約50点を展示する予定です。

昨日別件で大阪市内天王寺に所用があった私は、夕方あべのハルカスビル内にある、近鉄本店タワー館11階アートギャラリーを訪問し、ちょうど準備中のカメイさんに少しだけお話を伺いました。それによると当初展示品を50点位と考えていたら、結果的に80点くらいになったとのこと。

そして「おおっ」と思ったことがあるのですが、見せていただいた展示品は以前とは少しタッチが違うという印象だったことです。

それについてカメイさんは、新しい学びを2年ほど行った結果、昨年くらいから作風が変わったかもしれないとのこと。どう変わったのかは当日あべのハルカスビルで実際の作品を見に行って、ご自身でぜひ確認してください。

海外でも高く評価されているカメイさんの作品の数々。展示期間中は、全日カメイさんが在廊予定です。

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この機会に、以前カメイさんにインタビューした記事をアーカイブとしてご紹介しましょう。プロフィールにもあるように、取材後の2023年以降も活躍の場を広げているカメイさん。最近はミュオグラフィアートにも挑戦されています。

今回のアートギャラリー展を前にカメイさんがどういうアーティストなのかあらかじめ知りたい方の参考になれば幸いです。

※アーカイブ記事なので情報は掲載当時(2022年11月24日)のものです、当時のカメイさんは「亀井美千代」さんと漢字表記でしたので、以下は当時のまま掲載しています。

寺内町は重要伝統的建造物群保存地区に指定されているので、町自体が観光スポットとなっていますが、そればかりではなく新しく店を開店する人たちが増え、生きた町として賑わっています。

今では行列ができるような名店をはじめ、個性豊かなお店が目白押しで、食べ物関係以外にもアトリエ(工房)やギャラリーがいくつかあります。

本日紹介する今昔の玉手箱さんは、和紙の技術を使ったアートを創作しているアトリエ兼ギャラリーです。本日はオーナーでありアーティストとして世界中を飛び回っている亀井美知代さんにお話をお伺いしました。

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今昔の玉手箱さんは寺内町の城之門筋と亀ヶ坂筋の間、南奥谷家住宅と佐藤家住宅の間にあります。

距離的には富田林駅からの方が近いですが、富田林駅西口の場合は北側の通りをまっすぐ東方向に歩けば、今昔の玉手箱さんの前に行けるので、その方がわかりやすいです。

佐藤家住宅がかつて味醂醸造に使っていたところ(紅梅蔵)にギャラリーがあり、以前ご紹介した珈琲豆の蔵 平蔵さんのとなりに位置しています。

こちらが店内です。たくさんの作品が並べられています。亀井さんは寺内町でアトリエとギャラリーを運営していますが、それだけではありません。スペインやフランス、ドバイに作品を出展しているとのこと。

では亀井さんはなぜ世界で作品を出展するようになったのでしょうか?

(画像は亀井さん提供)

亀井さんは愛媛県出身で、大阪のデザイン学校を出た後、大阪のデザイン事務所で主に工業系のデザインを手がけていたそうで、仕事をしながら海外に頻繁に旅をしていたそうです。

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これまでの訪れた国は20ヶ国以上。インド、イラン、ヨーロッパ諸国、アメリカなど色々な地域に渡航しました。亀井さんが旅をしていた理由は、「写真などで見るのではなく、現地で本物を見たい」との思いが強かったので、旅をしながらそういう美術作品や遺跡などを訪ね歩いていました。

かねてからこれからの方向性について考えていた亀井さんは、2013年にスペイン在住の日本人女性と知り合い、「スペインで日本の文化を伝えるイベントがあるので参加してみませんか?」と声をかけられます。

亀井さんはちょうどそのころ、デザインの仕事とは別に、作品を創作、クラフト展などのイベントに出展し始めた時でした。

また、海外の渡航を続けているうち、外から見た日本文化の良さを深く感じはじめていた頃で、すぐにその話に乗ります。こうしてスペイン王立植物園(Real Jardin Botanico de Madrid)の「X GRAN EXPOCICION DE IKEBANA Y SEMANA CULTURAL JAPONESA」に出展します。

(店内には、フランスとドバイに出展したときの証書が飾られています)

スペインに誘われたときは「王立」という権威ある場所とは知らなかったそうです。しかしこれがきっかけとなり、作家として独立する決断につながりました。



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その後亀井さんは、2014年に続いて2016年と2018年にもスペインに出展します。特に、2018年は、初の美術館出店となったそうです。

(画像は:亀井さん提供)

さらに2019年にフランスのルーブル美術館にあるカルーゼル・デュ・ルーヴル(Carrousel du Louvre )「Salon Art Shopping」に出展。

(画像はドバイでのワークショップの様子:亀井さん提供)

そして2022年には、アラブ首長国連邦(ドバイ・ワールド・トレード・センター)「World Art Dubai 2022」に出展します

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(画像はドバイの展覧会の様子:亀井さん提供)

当初は2020年(実際は2021年に延期)のドバイ万博のタイミングで出展したかったのですが、ルーブルでの出展直後で制作期間が足りず2020年は、断然せざるを得ないと思っていたそうですが、万博がえんきされたことで、同じ時期に出展できたそうです。

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(2019年に亀井さんが個展をされた太子町にある西方院)

亀井さんは国内でも次の活動をされています。

2014年 神戸元町BAZARA倶楽部にて二人展
2016年 ギャラリーはびきのにて個展「今昔の感」
2017年 高野山伝統産業展出展、ギャラリーAQUA「こころを灯すあかり展」出展・しみず保田紙行灯アート出展
2018年 菓子工房YAMAO Galleryにて個展「今昔の彩」
2019年 西方院「結縁祭」にて個展
2021年 上野の森美術館「日本の美術 全国選抜作家展」出展

(この作品は、和紙を1本1本細く切り作られています)

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亀井さんによれば、国によって好まれる作品に違いがあるそうです。特に日本の風景的なもの、例えば桜とか鯉をデザインしたものは人気なのだそうです。

亀井さんは「スペインは赤、フランスやニューヨークはモノトーン系の作品が人気でしたね」と言っておられました。

では、そんな亀井さんがなぜ富田林市と出会い、寺内町にギャラリーをオープンすることになったのでしょうか?

それはまだ亀井さんがデザイン事務所に勤めていたころのこと。もともと山登りが好きで、山のイベントに参加したとき、寺内町にあるカフェさんのオーナーさんと知り合ったことがきっかけです。

元々古い建物や道具等が好きだった事もあり、歴史ある建物が多く残る寺内町へ頻繁に通うようになり、気が付けば寺内町の知人が増えていったそうです。

亀井さんがスペインから戻ったときにも、寺内町との縁があり、寺内町のクラフトイベントに参加しました。

チャレンジショップとして約1か月、その後半年ほどしてもう少し広いところにと感がるようになり、2015年3月、現在の場所にアトリエ「今昔の玉手箱」をオープンしました。

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もともと蔵だったことも条件が良かったそうで、気温に差があまりないことが和紙と制作には好条件でした。

屋号の意味を改めてお伺いすると、亀井さんは次のように説明してくれました。

「今と昔のデザインを融合させて進化を生み出すと言うニュアンスなんです。箱に今と昔のデザインをいれて箱を開けたら、あら不思議!みたいな。浦島太郎的ですね」

そんな玉手箱の中に紛れたアトリエ内にある亀井さんの作品は、外からの光で窓や格子が映り込み易いため、夕方の閉店後に撮影させていただきました。

さらにドバイに出展した作品も特別に見せてもらいました。

(亀井さんの作品はアクリル板で挟み込むように重ねている)

私のような素人が見たら切り絵の高度なものと言う印象が強いですが、そうではありません。掘貼紙というもので切り絵とは似て非なるもの。

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亀井さんに作品を作り始めたきっかけをお伺いすると、「和紙の型紙との出会い」と話しました。

京都・東寺の骨董市で偶然に見つけた和紙で作られた型紙を一枚買ったことがきっかけだそうです。

ところがその後、もっと欲しいと思い探したのですが、中々見つけることが出来ず、後で手にした型紙が非常に貴重なものだと知りました。

伊勢型紙の本場・伊勢に行けばその型紙があるのではと思い、現地に向かったところで、渋紙(しぶがみ:はり重ねた和紙に柿渋を塗って乾かしたもの)の和紙と出会います。こうしてこの和紙を使った作品作りが始まったそうです。

(有名寺院からも問い合わせがあったという金剛界曼荼羅)

「この和紙を使って作品を作りたい」との思いから、和紙を使った独自のアート作品が誕生していったのです。

ちなみに亀井さんは、誰かに弟子入りをしたわけでなく独学で創作して行ったそうです。

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(立体的に幾重にも重なっているのがわかります)

「大きい作品や細かい作業の多い作品になると1年以上かかる場合もあります」と亀井さん。じっくり見せていただくと、どの作品もミリ単位と言える細かさ、繊細にできていて驚くばかり。

(胎蔵界曼荼羅)

平面ひとつの作品でもすごいのに、さらにアクリルを間に使い幾重にも重ね合わせてひとつの作品にする技法は、眺めていてただただ息をのむ思いです。

(今昔の玉手箱の教室の様子:亀井さん提供)

今昔の玉手箱では教室も行っています。

(1)彫貼紙教室        月2回で時間・曜日は応相談 3,000円 + 材料費/1回〜
(2)体験レッスン
  ①彫貼紙(切り紙)コース 2500円
  ②彫貼紙(切り紙) + 額装コース 5000円
  ③彫貼紙(切り紙) + 額装2日間コース 5000円
  (①②コースを2日間に分けたものです)

教室・体験レッスン共に、営業は午前の部(11:00〜13:00)午後の部(13:30~15:30)で要予約です。



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「子供のころには周りの事を気にせず、自分の好きなものを作るじゃないですか?評価とか人の目とかまったく気にしていなかったと思うんです。なので、もう一度原点に返って作りたいものを作るお手伝いが出来ればと思って教室を開いたのです」

と、教室を開いたきっかけを語ってくれました。

亀井さんは、創作の楽しみを教室を通じて味わってほしいといいます。

「私の教室には決まった教材はありません。作りたいものを作ってもらうんです。生徒さんが作りたいものが完成するまでのお手伝いなのです。もちろんアドバイスをします。とにかく深く考えずに好きなことをやってほしいです」

最後に亀井さんの今後についてお伺いすると、2023年に上野の森美術館とイタリアのフィレンチェ、2024年3月にふたたびドバイに出展するのが決まっています。その後は出展をアジア圏にシフトしたいとのこと。

「四国は空海が誕生、仏教に関しても親しみがありまし、作風も影響を受けていると思います。そういう意味で、アジア圏への出展は次のステップですね」と亀井さん。

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この日亀井さんは私のインタビューのときも着物姿でしたが、普段でも着物を着る機会が多いそうです。いつか着物生活をしたいと考えているそうです。

普段から日本に住んでいて当たり前に思いがちな日本的なものの本当のすばらしさは、海外渡航経験の多い人が特に感じると聞いたことがあります。亀井さんが着物生活をしたいという気持ちもよくわかるような気がしました。

また着物と寺内町は本当にぴったり。亀井さんのインタビューの後、すでに夜となった寺内町を駅に向かって歩きながら、そのように感じました。

今昔の玉手箱(外部リンク)

住所:大阪府富田林市富田林町23-39 紅梅蔵内
営業時間:11:00~17:00
定休日:火・水
アクセス:近鉄富田林駅から徒歩7分、富田林西口駅から徒歩9分



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この記事を書いた人

奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。

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