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5年近く地域の取材活動を続けていると、新店として紹介したお店が「周年」を迎える機会も増えてきました。
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(オーナーの平谷佐智代さん)
たとえば、2024年6月に富田林駅南口に開業したカフェ・カムナさんも、今年で2周年を迎えました。
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2周年記念パーティはラブリーホールのギャラリーで行われ、私もお招きいただきました。富田林のお店なのにラブリーホール?と思われるかもしれませんが、オーナーの平谷佐智代さんは河内長野市上原出身。河内長野と深いゆかりのある方です。
2周年パーティで披露されたシンギングボウル

パーティ後半に参加した際、ちょうどクラウン(道化師)による楽しいバルーンアートのステージが終わったところで、次のステージが始まりました。
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それが今回の取材にもつながるシンギングボウルのステージです。1年半前に出逢ったという平谷さんが「本物だ」と直感したというその人こそ、ヒマラヤシンギングボウルジャパンマスターTOSHIこと大北敏弘さん(以下、TOSHIさん)です。
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(右側にいる方がTOSHIさん)
シンギングボウルとは、主にチベット密教などで古くから儀式や瞑想に用いられてきた金属製の椀(ボウル)状の法具です。

TOSHIさんは、阪神・淡路大震災をきっかけにボランティア活動を始めました。そしてシンギングボウルと出会い、ヒーラーの道へ進みました。
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現在は「ヒマラヤシンギングボウルジャパンマスターTOSHIサポートチーム」を率い、カフェ・カムナさんでも定期的にサウンドバス(音浴:音のセラピー)や瞑想会を行っています。
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実は、TOSHIさんは河内長野野作町にある酒販店・大北本店の3代目さんです。

大北本店さんは、1984年の国宝観心寺金堂落慶時に「大楠公」を発売したことでも知られ、酒販店以外にもミスタードーナツ河内長野駅前店などの運営にも携わってきました。
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しかしシンギングボウルの世界を極めたいという思いから、数年前に社長業を弟さんに譲り、ヒーリング活動に専念されています。

今回のステージでは、深く体をリラックスさせる「倍音」と呼ばれる神秘的な響きがギャラリー内に広がりました。一つの音が響き、消えゆくまでの余韻が長く、次の音が重なることで、まるで音が途切れることなく続くような印象を受けました。
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実際のところ睡魔が襲ってきそうな心地よい音楽です。多くの参加者の方は目をつぶって音楽に浸っていて、中には眠っているらしい人もいました。この音は睡眠障害で苦しんでいる人にも効果があるとのこと。

(ステージ後、参加者の近くで一人ひとりにシンギングボウルを響かせるヒーリングも行われました)
こちらの画像はTOSHIさんの弟子・サトシさんで、鍼灸師の方です。TOSHIさん自身が「まだ修業中」と弟子入りを渋ったそうですが、サトシさんは粘り強く志願し続け、ようやく認められたそうです。
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サトシさんは「マッサージや鍼(ハリ)は外からアプローチするのに対し、シンギングボウルは体内に直接振動を届ける」と話します。人間の体は約7割が水分。音のバイブレーションがその水分に働きかけることで、心身を整える効果があると言います。
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どうしてシンギングボウルの道へ?

ステージが終わってから改めてTOSHIさんにお話を伺いました。
元々アパレルデザイナーでもあり、若い頃から旅人だったTOSHIさん。地元で有名な酒販店の家で生まれ育ったこともあり、七光りの届かない場所(旅)への憧れがあったそうです。
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高校生で青春18きっぷを使い旅を始め、20歳でアメリカでのバックパッカー旅をしたそうです。

実家を継いだ後は、ミスタードーナツの店舗(3店舗)の立ち上げなどに尽力したTOSHIさんがシンギングボウルに出逢うきっかけは阪神大震災でした。
一瞬にして当たり前の生活が一変し多くの人が亡くなったことは、生き残った子どもたちがPTSD(心的外傷後ストレス症)になってしまいます。
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2004年のスマトラ沖地震でも同じ状況が繰り返され、「何かできないか」と考える中でシンギングボウルと出会いました。
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「実は僕も最初はただの楽器だと思っていました。でも音に触れるうちに、このバイブレーションがPTSDへの癒し、特に睡眠障害のケアにつながるのではないかと感じたんです」
2005年に師匠と出会いヒーリングを学ぶことに

転機が訪れたのは2005年の事でした。バックパッカーで世界中を旅している人から「ネパールでシンギングボウルの凄い人がいるよ」と教えてもらったのです。
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いてもたってもいられなくなったTOSHIさんは、2006年にネパールのカトマンズに行きます。そこでサンタ・ラトナ・シャキャ(Santa Ratna Shakya)師(以下、サンタ師)と出会います。
サンタ師は代々受け継がれたカッサ(Kansa:青銅)を使った加工(シンギングボウル)の職人の家系です。フルムーンボウル(月明かりの下で制作される特別なシンギングボウル)をはじめ、シンギングボウル製作における卓越した技術は門外不出のものでした。
サンタ師のお父さんが早く亡くなられたため、9歳の時から祖父より技術を学びました。まさに口伝の世界で、本来外部に出るものではありません。
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しかし、サンタ師は技術を外に公開しました。TOSHIさんが出会った頃は、まだサンタ師が、265年前にさかのぼれるシンギングボウル職人の伝統のバッググラウンドの調査をしていた段階でした。

当初は「指導はしていない」と、サンタ師は、TOSHIさんの弟子入りに否定的でした。
TOSHIさんはいったん帰国しますが、その日から20日間、毎日英語で弟子入り志願のメールを送ります。そこでなぜ弟子入りしたいのか(PTSDで苦しむ子供たちの癒し)をきっちり説明し続けます。
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21日目にようやくサンタ師はTOSHIさんを弟子として受け入れることを決めたと言います。こうして2006年12月にTOSHIさんは1カ月カトマンズに滞在して、師匠からヒーリングのための楽器としてのシンギングボウルの奏で方を学びます。
チベットは仏具、ネパールは食器

シンギングボウルはチベットなど一般的には仏具です。しかしネパールの一部、カトマンズ、パタン、バクタプルなどのカトマンズ盆地では、出産を終えた母親がご飯を食べるための伝統的な専用の器としてシンギングボウルを使っています。
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「チベットではシンギングボウルは仏具であると同時に、今では欧米向けのお土産としての側面もあります」TOSHI さんはそう語ります。
そして、ダライ・ラマ14世 の活動によってチベット文化やチベット仏教が欧米に広く知られるようになったことが、シンギングボウル人気の背景の一つにあるのではないかと分析します。
そのうえで、現在世界各地で行われているシンギングボウルによるヒーリングについては、伝統的な文化や宗教的背景を持ちながらも、欧米のウェルネス文化やニューエイジ思想などの影響を受けながら発展してきた側面があるのではないかと独自の見解を示しました。
TOSHIさん自身も、シンギングボウルによる癒やしやヒーリング効果が日本では医療行為として認められていないことは十分に理解しています。そのため「治す」ことを目的とするのではなく、心に傷を抱えた人々に寄り添い、音色を通じて少しでも安心や安らぎを感じてもらうことを大切にしているといいます。
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特に PTSD などの心の傷を抱えた子どもたちに対しては、音の響きに耳を傾ける時間が、穏やかなひとときや心を休めるきっかけになればとの思いで活動を続けています。
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来年2月まで日本で活動

サンタ師はこれまで53カ国をまわり、今もヨーロッパやアメリカなので世界中でシンギングボウルのヒーラーとして活動しています。TOSHIさんはサンタ師と全て同行したわけではありません。当初は社長業と両立していました。しかし、社長業を弟さんに譲ってからは師匠と一緒に世界を回る機会も出てきました。

シンギングボウルは、月との関係を重視します。ムーンカレンダーがあり、満月や新月の時に世界のどこかでサウンドセラピーとしてシンギングボウルを披露しています。
地震の他にも最近は戦争の関係で、ウクライナやイランなどの子どもたちにもPTSDの子どもが増えていることから、そういう子どもたちの癒しのためにTOSHIさんは頻繁に海外で活動を続けました。
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これまで日本にいる時は河内長野の実家を中心として活動をしていたTOSHIさんですが、来年の2月までは海外に出ず国内での活動を行います。
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大和川よりも南側のいわゆる「南大阪」ではカフェカムナさんで活動中。大阪市内でもHimalayan Singing Bowl Centre Japanを中央区日本橋に拠点を置いて活動されています。
「治す」ことではなく、「寄り添う」こと。

シンギングボウルによる癒やしやヒーリング効果は、少なくとも日本では医療行為として認められているものではありません。そのため、「治す」「改善する」といった表現は用いていません。
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それでもTOSHIさんは、心に傷を抱えた人々に寄り添い、シンギングボウルの音色を通じて、少しでも安らぎやリラクゼーションの時間を届けられればとの思いで活動を続けています。
特に PTSD などの心の傷を抱えた子どもたちに対しては、音の響きに耳を傾ける時間が、少しでも安心や安らぎを感じられるひとときになればとの願いを込めています。
医療や治療に代わるものではありません。しかし、「誰かに寄り添ってもらえた」「安心できる時間があった」と感じてもらえることもまた、大切な支えになると信じています。
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「心地よいサウンド」から「補完・代替医療(CAM)のひとつ」として多くの人に届けたい

日本を含めた世界には、正式な医療行為のほかに、補完・代替医療(CAM)という考えがあります。温泉療法、カイロプラクティックアロマ・ハーブ療法などが補完・代替医療に該当します。
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それに対してシンギングボウルについてはまだその段階ではありません。例えばアメリカなどではミシェル・レイナー (Michelle Rayner)氏などが432Hzなどの音にヒーリング効果があるということで代替療法(Alternative Therapy)として活動を行っていますが、日本はまだまだとのこと。
TOSHIさんは、日本での現状はまだ未発達であることをを踏まえつつ「少しでも自分の活動により、シンギングボウルを心地よいサウンドから補完・代替医療(CAM)のひとつとして多くの人に届けたい」と、最後に力強くこれからの目標を語りました。
ということで、カフェカムナさんの2周年パーティで披露されたシンキングボウルのヒーラーTOSHIさんのインタビューを行いました。
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カフェカムナさんでは、まねび文化教室を通じて様々な教室を行っています。7月の予定はこちらになっています。
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TOSHIさんのシンキングボウルは、次回7月18日13時から15時30分ごろまで行われます。参加費は6000円なので、TOSHIさんのヒーリングに興味のある方は申し込んではいかがでしょう。

まねび文化教室では様々な教室が行われています。レッスン費は現金のみの対応なので注意しましょう。
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さらに7月から新しくアジア料理レッスンのシリーズを始めるとのこと。興味のある方はカフェカムナさんに問い合わせてみてはいかがでしょう。
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カフェ・カムナ(まねび文化教室)
住所:大阪府富田林市若松町1-5-7
TEL:0721-69-8803
アクセス:近鉄富田林駅から徒歩2分
instagram
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この記事を書いた人
奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。
登録いただいた方には、少し踏み込んだ情報もお届けします。 通常の記事に加えて、登録者限定の裏話も配信! ここだけの話も、そっとお届けします。



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