南河内地域の地車はすでに終わっている地区もありますが、その多くは10月の秋祭りで曳行されます。青年團(若衆)によっては、SNSで当日の曳行予定を公開しているところもあります。

そして藤井寺市の秋祭りは10月10日、11日に行われます。林3丁目にある供林氏神社(ともばやしうじのじんじゃ)もそのうちのひとつで、神社の公式サイトによると10月11日の11時から例大祭(秋祭)が行われ、神社境内に地車小屋のある供林の地車も宮入します。

供林地車の歴史の記載があります。これによると2016(平成28)年の昭和の正遷座祭(1941・昭和16年実施)から75年、さらに初代地車売却から100年になるタイミングだったとのこと。
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そこで、地車を新調することになり、3代目地車を新調したそうです。

そして2026(令和8)年は、地車を新調してからちょうど10年(正遷座祭から85年)になります。

さて、先日伴林氏神社を参拝しました。ちょうど秋祭りが始まる直前のこのタイミングに、改めて伴林氏神社の歴史などを振り返りましょう。

伴林氏神社公式サイトに、由緒について紹介されています。それによると創建の年代は不明ですが、平安時代の867(貞観9)年、清和天皇の時代に河内国志紀郡「林氏神」が官社に列せられ、 同15年12月20日に御祭神・天押日命に従五位が授けられたと『三代実録』に記されているそうです。

つまり平安時代の初めごろには、すでに神社が創建されていたことになります。
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また907年の「延喜式神名帳」に志紀郡・伴林氏神社と記載されている式内社です。

(境内の石碑にも由緒や祭神について紹介があります)
記録としては平安時代以降ですが、はるか以前から道臣命(みちのおみのみこと)の子孫がこの土地に住み、大和朝廷時代の名門として祖先を祀ってきたと公式サイトでも考えられているそうです。

ここで道臣命についておさらいすると、『古事記』や『日本書紀』に登場する神話上の人物で、神武天皇に仕えたとされています。

神武天皇が大和を目指した神武東征の際、道臣命は軍勢を率いる将のひとりとして活躍しました。八咫烏(やたがらす)の導きのもと、久米部(くめべ)と呼ばれる武人集団を率いて熊野から宇陀へ通じる道を切り開いたと伝えられています。

その功績により、神武天皇から「道臣」の名を授けられたそうです。そして道臣命の子孫に豪族の大伴氏がいます。つまりこの土地に住んでいた大和朝廷時代の名門とは、大伴氏のことです。
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さて、道臣命の3代先祖に天押日命(あめのおしひのみこと)という神様がいます。この方は、天津彦彦火瓊瓊杵尊(あまつひこひこほのににぎのみこと)という神武天皇から見て3代前の神の時代に登場します。

瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)は、高天原から天孫降臨を行ったとされますが、天押日命は天津久米命(あまつくめのみこと)とコンビを組み、超重武装の姿で瓊瓊杵尊の最前線に立ち、先導と警護をしました。つまり武術の神様です。
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天押日命の祖先をさらに5代さかのぼると、高御産巣日神(たかみむすひのかみ)にたどり着きます。高御産巣日神は天地開闢の際に最初に現れた3柱の神の1柱で、万物を生み出す創造神として知られています。
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そして高御産巣日神、天押日命、道臣命の3柱が供林氏神社の祭神です。供林氏神社の公式サイトには大伴氏系図として高御産巣日神から続く大伴氏の系図(リンク先の下)が紹介されています。

その中には大伴武持(武以:古墳時代の人で大伴氏の祖)、大伴金村(古墳時代の人)大伴古麻呂(奈良時代の人)、大伴旅人(飛鳥・奈良時代の人)、大伴家持(奈良時代の人)といった歴史上の有名人の名前が出てきます。

その後の大伴氏ですがですが、平安時代の大伴國道の時代になると、淳和天皇の諡(おくりな)に「大伴」の文字が含まれていたことから、弘仁10年(819年)に氏姓を「大伴」から「伴」へ改めました。

しかし、その後、一族の有力者であった大納言・伴善男(とも の よしお)が、866年の応天門の変で失脚してしまい、伊豆へ流されると、一族の勢力は急速に衰退していったそうです。

(参拝させていただきました)
その後ですが、戦国時代、神社は織田信長の兵火に遭い焼失します。明確な記載はないのですが、1575(天正3)年に起きた「高屋城の戦い(たかやじょうのたたかい)」で織田信長軍が河内平定をした際とされているそうです。
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ちなみに高屋城跡は近鉄古市駅の少し南側にあります。

このころには大伴氏の子孫で神社の維持管理をしていた伴氏も絶えてしまったそうですが、地元民らが産土神(うぶすながみ)として小さな社殿を再建して後世に伝えていきます。

供林氏神社は明治のはじめに村社となります。そして1932(昭和7)年になると歴史学者の調査によって、現存する大伴氏の祖神「道臣命」を祀っている全国唯一の神社として注目を浴びるようになりました。
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(靖国神社)
武術の神様を祀っている神社ということで、戦時中にはとても重要視され、1940(昭和15)年には驚いたことに「西の靖国神社」として 整備充実が進みます。さらに府社に昇格しました。この時に現在の社殿などが建てられたそうです。

そして、今も境内にある手水舎は靖国神社から運ばれて移築されたもので、1872(明治5)年に靖国神社で建てられたものが、1941年(昭和16)年に供林氏神社に移築されました。

そして最初の地車の説明にもあるように、同じ年に正遷座祭が行われ、その75年後に地車を新調しました。

現在、神社本殿(ほんでん)、拝殿及び幣殿(はいでんおよびへいでん)、伴林氏神社 棟門及び透塀(むねもん および すかしべい)、手水舎(ちょうじゅしゃ)、伴林氏神社若宮八幡宮社殿(ともばやしのうじのじんじゃ わかみやはちまんぐう しゃでん)の5点が国登録有形文化財となっています。
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(後ろに見えるのは伴林氏神社若宮八幡宮社殿)
ちなみに伴林氏神社若宮八幡宮社殿の建物はもともと道明寺村にあった小学校(澤田尋常小学校)の「奉安殿(ほうあんでん:御真影や教育勅語を安置するための建物)」として、1940(昭和15)年に建てられたものです。

戦後の1973(昭和48)年に、伴林神社境内に移築して若宮八幡を祀っているそうです。

境内には拝志廃寺(はやしはいじ)の塔心礎が残されています。拝志廃寺は飛鳥時代後半にこの地の豪族によって創建されたと考えられており、古くはこの地域が「拝志(はやし)」と呼ばれていたことがうかがえます。

さらに調べると、大伴氏の一族には「拝志(はやし・林)」の名を冠した氏族が存在したとされ、神社名の「伴林氏」との関連を想像させます。
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「うっかり雷の蓋の石」の説明も面白い伝承ですね。

ということで伴林氏神社に参拝させていただき、歴史やエピソードについて調べて紹介しました。秋祭りの時に神社の由来などを改めて思いはせると、いつもの年とは違った秋祭りが楽しめるかもしれません。

伴林氏神社
住所:大阪府藤井寺市林3丁目6-30
TEL :072-954-5126
アクセス:近鉄土師ノ里駅から徒歩10分
instagram
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