【河内長野市】98カ国もの訪日外国人が来訪した南天苑!インバウンド客をサポートする英国人ガリーさん

インタビュー記事

河内長野には鉄道の駅が7つあります。そのうち汐ノ宮駅だけは近鉄ですが、6つが南海の駅で、天見駅の次は紀見峠駅となり和歌山県です。



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さて、河内長野で最も南にある天見駅の駅すぐ近くには、ご存じの通り高級旅館「南天苑」があります。訪日外国人(インバウンド)のお客さんも多いそうで、これまで98カ国の人たちが宿泊したそうです。

となれば日本語以外の言語、例えば英語力が無いと大変かなと思いますが、南天苑には専属の外国人スタッフがふたりいます。その中のひとり日本に来て約10年というGary Luscombe(ガリー・ラスカンさん:以下、ガリーさん)に取材させて頂く機会を得ました。こうして、南天苑の山崎友起子女将同席のもと、ガリーさんからお話を伺いました。



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日本に来て10年。奥様とのご縁で河内長野へ

ガリーさんは、英国にあるガーンジー島出身です。場所を確認するとイギリス海峡の南側、フランス寄りにあります。歴史的にはフランスの攻撃を受けたり、ナチスドイツの占領下になっていた時代もあったようですが、基本的には1066年のイングランド王ウィリアム1世の時代から歴代イギリス王室の直轄地。人口は6万5000人程度です。

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ガリーさんはもともとはイギリスで銀行やビデオゲームメーカーなどで働いていたそうですが、河内長野出身の日本人(奥様)との出逢いがあり、結婚して来日しました。

ガリーさんは河内長野は大阪にあると聞いたので、大阪市内の都会、にぎやかな雰囲気をイメージしていたそうですが、河内長野が山に囲まれた場所と知り、最初は驚いたそうです。日本に来て仕事を探そうとしていたガリーさん。そのころちょうど南天苑でも外国人宿泊客が増えていたところで、できればネイティブな外国人をスタッフで雇う必要性に迫られていたため、必然と両者に接点が生まれます。

皇居にもあった楠公像に感動し歴史を学び南天苑へ

最終的にガリーさんは南天苑に応募するのですが、ガリーさんが日本の歴史に関心を持ったことも大きな動機付けとなりました。ガリーさんは、河内長野に来て最初に感動したものがあるといいます。



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それは観心寺の入口にある大楠公像です。理由を伺うと奥様と出会うはるか前、20年ほど前、当時働いていた会社の出張で東京に来た時に、皇居にあった大楠公像を見て感動していたのです。「え、同じものが河内長野に!」と驚いたガリーさんは、もともと歴史が好きだったこともあり、楠木正成のことを調べるようになりました。

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英語での情報はあまりなかったそうですが、ネット上の情報を翻訳しながら調べていくうちに、富田林嬉にある腰神神社のエピソードなど、次々と楠公正成の足跡を探したそうです。

そして南天苑で外国人スタッフを募集していると聞いたこともあり、応募しました。面接を受けるために南天苑に初めて来た時、ガリーさんは「ミュージアムのようだ」と感じたそうです。当時の建築界で大御所だった辰野金吾が設計した建物、風情ある庭園などを眺めながら、ガリーさんは「ここに日本文化がある」と感動し、ぜひとも働きたいと思ったそうです。

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(楠木正成甲冑隊)

後に楠木正成甲冑隊を結成する山崎社長との面接で「日本文化に精通した社長」と感じたことも大きな動機づけとなり、南天苑に就職します。

フロント業務からお点前のガイドまで

次に、ガリーさんの南天苑での仕事内容についてお伺いしました。基本的な仕事の中心は外国人とのやり取りで、英語版のFacebookを立ち上げ、訪日外国人に南天苑をアピールし、宿泊を希望する方に英語のメールでやり取りを行います。



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(グルテンフリーのタイカレー)

私事ではありますが、何度か海外に旅をしたからわかるのですが、どの国でも宿の人が少しでも日本語を話すことができると、とても助かるものです。ガリーさんは日本に来て日本語がわからない外国人をサポートすることで、外国人観光客も安心して南天苑に宿泊できるようになりました。

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(南天苑の夕食)

特に食べ物の問題がとても大きく、ビーガンやグルテンフリー、ムスリムフレンドリーなど、どうしても外国人宿泊客によっては食べられない食材というものがあります。その場合、ガリーさんが英語であらかじめコンタクトを取ることで確認し、ビーガンやグルテンフリー、ムスリムフレンドリーなどの希望を事前に把握します。

(南天苑の夕食)

予め希望を伺い確認をすることで、当日その方が宿泊されたときにその人に合わせた料理が出せるようになり、宿泊客も安心して食事ができるようになります。また南天苑の周りにはコンビニやスーパーはないので、そういうこともガリーさんは事前に宿泊客に説明しています。

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(南天苑の朝食)

ちなみにガリーさん本人は日本食はどれも好きなんだそうで、生卵も納豆も大好きで、そのほかに和牛や河内鴨も好きなんだそうです。逆に嫌いなのが意外にもケチャップとポップコーンというのですから、日本に来たのは本当に正解だったのかもしれませんね。

こうしてフロント業務を2,3年行ってからは、ガイド役もするようになりました。例えば山崎社長がお点前(おてまえ:茶の湯において亭主が客の前で茶道具を清め、抹茶を点てて振る舞うための一連の洗練された所作)を行うときに、外国人観光客が参加する際にはガリーさんがガイドを務めます。

(参考:酒樽を使った茶室)

四畳半の場所で障子を閉めて行われるお点前、外の風景がきれいなのにあえて閉鎖した空間でかつ照明を落として行われる儀式など、外国人にとっては不思議に感じますが、そういった部分がなぜなのか、また畳の歩き方などの作法をガリーさんが英語で解説します。



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ガリーさんは戦国時代の千利休の時代に確立されたとされる茶の湯、「わびさび」の日本文化の背景や、茶の湯で相手の心を読むことなど、お茶会の歴史や文化を外国人にわかりやすく解説するため、参加した外国人も納得して体験できるのとこと。

南天苑の山崎女将は、「日本人のお客さんには説明できることを外国人のお客さんに対してはどうしても十分に説明できない部分があるけれど、ガリーが仲介役として説明してくれるおかげで、外国人のお客さんに伝わってとても助かっている」と話していました。

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修験道・行者に嵌る

(比較的簡単に行ける葛城修験第十六経塚・流谷金剛童子)

そんなガリーさん、最近は行者(役小角:えんのおづぬ)の世界に嵌(はま)っているそうです。具体的には葛城修験で、南天苑のある天見の近くにも4つの葛城修験の経塚があります。その中には比較的簡単に行けるところ、山の中を歩く必要がある少し大変なところがあるのですが、ガリーさんはそんな少し行きにくい経塚のツアーガイドも行うことがあるそうです。

(河内、紀州、大和の境界線にある東の行者堂)

「行者と私は似ているかもしれない」と、ガリーさん。山に対してひとりで向かう姿勢が近いといいます。ガリーさんもひとり山の中で数時間歩くのは平気なので、その点が行者が山の中で修業して修験道を切り開いたことに共通点を感じたのです。そしてもともと歴史が好きなこともあり、葛城修験だけではなく、奈良の大峰山の修験の経験もあるとのこと。

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(大峰山のベースキャンプ 洞川温泉)

南天苑のお客さんの誘いで、泊りがけで一緒に大峰山に登ったそうです。現地では早朝から山を登って修験道の修業をしますが、ガリーさんはそれも一緒に体験し「かつての行者がおこなったであろう体験が行えた」ととても満足したそうです。



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SNSや外国人向けサイトに英語で執筆し、南天苑を紹介

(南天苑の宿泊客により世界地図が旗だらけに)

ガリーさんは、Facebookやinstagramの他にもen.japantravel(外部リンク)osaka.com(外部リンク)に英語で執筆し、南天苑だけでなく、周辺の観光地や歴史などを紹介しています。

(訪日観光客が自国の旗を地図に挿します)

最近は日本の旅館でも食堂があってそこで夕食や朝食を頂くことが多いですが、南天苑では今でも夕食は部屋食が基本のため、外国人は驚くそうです。そして物珍しくも感じるそうで、食後に仲居さんが布団を敷く動作もとても珍しいもので、シャッターチャンスになるそうです。

ガリーさんは、こういう外国では珍しい日本の旅館文化についてSNSで発信し、英語で解説しています。そのような活動によって海外の人が南天苑の存在を知ることとなります。

(外国の宿泊客がお土産を置いて帰るそうです)

また南天苑ではガリーさんも含め従業員も和装が基本のため、南天苑での宿泊=日本文化体験にもなるということで、ガリーさんが来てから海外からの観光客がますます増えています。最近はガリーさんとは別に、スペイン語のできるチリ人スタッフがパートタイムとして南天苑で働いています。

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(宿泊客が南天苑をイメージして作った箱庭の写真)

ガリーさんは10年ほど働いて印象に残っていることを伺うと、朝食の時に「ガリーさんですか」と話しかけられることだといいます。

(南天苑の朝食会場の前にある甲冑)

事前に外国人とネット上でやり取りするのですが、ガリーさんの勤務時間は7:00~15:00が基本のため、当日チェックインするときにはガリーさんがすでに勤務を終わっている場合があるからです。

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(十三仏)

ガリーさんは「南天苑に宿泊したら流谷の十三仏を見てほしい」と言います。これは流谷には隠れキリシタンがいたとう伝承があるのですが、流谷の十三仏が「キリスト教のイエスキリストと十二使徒を表しているのでは?」という伝承に基づくものです。外国の人には特に見てほしいそうです。また南天苑から見て裏山にあたる叶山稲荷大明神がありますが、ガリーさんはここが好きだといいます。



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ということで南天苑で働く英国人スタッフのガリーさんに大いに語っていただきました。河内長野屈指の高級旅館の南天苑。昔一度だけ宿泊させていただいた経験がありますが、とても良い旅館です。そしてガリーさんの言うように日本文化が凝縮している旅館というのはまさにその通り。お話を伺いながら多くの外国人、そして日本人も含めて南天苑、河内長野に来て欲しいと取材を通じて改めて感じました。

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あまみ温泉南天苑(外部リンク)

住所:大阪府河内長野市天見158
TEL:0721-68-8081
アクセス:南海天見駅から徒歩1~2分
instagram
Gary Luscombe ガリーさんのSNS(外部リンク)



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この記事を書いた人

奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。

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