【南河内郡千早赤阪村】大阪唯一の村の山奥にアイヌ刺繡家が住んでいます。なぜと伺うと驚きの理由が

インタビュー記事

大阪唯一の村、千早赤阪村は、大きく分けて道の駅や村役場がある地区と金剛登山口がある地区に分かれています。そして金剛登山口(千早赤阪村千早)は標高が500メートル以上ある地点にある山奥の集落のためか、なぜか個性豊かな移住者が多いのが特徴です。今回はそんなひとり、アイヌ刺繍に携わっている池下さゆりさんにお話を伺いました。

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(北海道にあるウポポイ)

アイヌについて、私は以前、北海道の道東にある阿寒湖周辺や北海道南西部、白老郡白老町にあるウポポイ(民族共生象徴空間)と呼ばれる施設を訪問したことがあり、表層部分でアイヌに少し触れる機会がありました。独自の文化を持っているアイヌという人たちのことを知る機会を得たのですが、まさか千早赤阪村にもアイヌの文化に強くはまっている人がいることはつい最近知ったのです。


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取材のお約束をして指定された場所に一歩入ると驚きました。そこはまさに北海道で見たアイヌ文化そのものだからです。こうして千早赤阪村の中にあるアイヌで、さゆりさんからお話を伺いました。

アイヌにハマったきっかけ

(最初は恐れていたが途中でようやくなついた白ひげが凛々しい猫ちゃん)

さゆりさんは、三重県生まれで名古屋育ちです。千早赤坂村はもちろん、大阪とも関係がありませんでした。大阪との接点は名古屋の大学で発達心理学を専攻し、卒業後にさらに専門性を高めるため大阪教育大学の大学院に進学したのがきっかけです。


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以来、さゆりさんは大阪が拠点となります。そして大阪でそのまま働くようになりました。本業は自閉症や発達障がい者と言われる人たちのカウンセリングを行っている職員に専門家の立場でアドバイスを送ったり、ファシリエータのサポートを行ったりしています。

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では、そんなさゆりさんがアイヌ文化にハマったきっかけは、コロナ禍でした。このときにご縁があり、アイヌのシャーマンと出会う機会があったからです。その人は北海道南部、日高地方にある沙流郡平取町二風谷(にぶたに)に住むアイヌのシャーマン、アシリ・レラさんです。


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さゆりさんは、アイヌとの出会いの前からシャーマニズムに対して深い興味を持っていました。トランス状態に入って超自然的存在(霊、神霊、精霊、死霊など)と交信する現象で、南米のアマゾンやアフリカなど世界中にあります。

さゆりさんは、過去にチンギスハーンの時代から続く伝統のモンゴルのシャーマンとの出会いがありました。そういったことから本業の傍ら、シャーマニズムを調べていたのですが、日本にもアイヌのシャーマニズム文化があることを突き止めます。

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当時はコロナ禍で自由に外出し辛い時で、閉塞感がありました。いてもたってもいられなくなったさゆりさんは二風谷に行き、現役のシャーマンであるアシリ・レラさんと会うことになったそうです。


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(阿寒湖温泉の旅館の中にあったアイヌをモチーフにした文様)

アイヌのシャーマニズムは、カムイ(神々)とのコミュニケーションを重視していました。そして自然との調和や動物の霊を大切にする伝統、イオマンテ(熊送り)とか、祈りの儀式とか、独特の儀礼を持っていたこともあり、さゆりさんはアイヌの文化にどっぷりハマっていったのです。

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(ウポポイで展示しているアイヌの家屋)

ただ一気にハマったというより、少しずつアイヌの世界を知りながら少しずつハマっていき、レラさんと会ったのもそういった過程の中でのこと。当時は現地にある宿泊施設に滞在しながら学んだといいます。

(ウポポイでのアイヌの伝統音楽ステージ)

そしてさゆりさんの話では、レラさんは他の人とは大きな違いがありました。他の人は手仕事としてアイヌ文化を知ってもらうために織物などをつくってお土産品として販売するなどを行っていましたが、レラさんはあくまでシャーマンとしての姿勢でアイヌ文化と向き合っているといいます。

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(阿寒湖畔にあるアイヌの資料館)

外部の人間からするとアイヌというのは北海道に残る伝統文化のひとつと感じますが、アイヌ文化にハマったさゆりさんによれば、アイヌとひとくくりにはできず、阿寒のアイヌと二風谷のアイヌは明らかに別物だといいます。さらに厳密にいえばコタン(村)ごとに文化の違いがみられるとのこと。

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千早赤阪村に住むようになったわけ

そんなさゆりさんがなぜ千早赤阪村に住むことになったのでしょうか?千早赤阪村自体、大阪唯一の村として自然が豊富なこともあり、自然との調和などを重視するアイヌのシャーマン文化の世界に近いというのは何となく頷けます。だとしてもきっかけが必要です。


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(岸和田城)

元々さゆりさんは岸和田に住んでいました。岸和田時代に北海道に行きアイヌのシャーマン文化にハマることになったわけです。そしてアイヌのシャーマニズムを知ることで、自らの生活環境について、少しでも自然に近いところに住みたいと思うようになりました。

そのようなこともあり、さゆりさんは岸和田の隣にある貝塚の山の中にある家を1年契約で間借りして住むという機会がありました。そんな経験を得たのち、ますます「山に住みたい」という思いが湧き起こってきます。

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(画像の紙の文字は引っ越し前からあったもの)

そんなさなか、あるワークショップを通じて村のキーマン、Sさんとの出会いが千早赤阪村に住むきっかけとなりました。Sさんに千早赤阪村を勧められ、3年前に移住しました。

最初は登山口(千早本道)の近くにあるコテージのような場所に2,3カ月住んだのち、現在地に落ち着きました。

今はアイヌ風の床になっている部分も引っ越し当時は土間だったそうで、それをさゆりさんは改装することで出来上がりました。

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ライフワークとして刺繡だけでなくシャーマニズムに関する文化も伝えたい

さゆりさんは、専門的な仕事を持っている傍ら趣味の延長線上、ライフワークとしてアイヌ文化にハマって刺繍などを習い、今はそれをオーダーを受けて制作販売してます。

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たとえば、オヒョウやシナノキの樹皮(内皮)の皮を剥いで紐を作り、伝統的衣服「アットゥㇱ」の刺繍を作ります。

そしてアイヌの文様にも様々な意味があるそうで、細かく書くとキリがないのでここでは触れませんが、基本的には魔よけの意味があるそうです。


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特に上着の刺繍の場合範囲が広いため、数カ月から半年かかるのが普通です。そして北海道で制作したこともあるためか、1年がかりで仕上げた作品もあるそうです。

またさゆりさんは伝統的なアイヌの文様に少し手を加えたものを制作することもあり、画像の様にアイヌ文様と虫を融合させるなど、現地の人も驚く作品を作っています。

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ちなみにかつて2,3カ月に1回のペースで北海道に行ってましたが、今は年に2、3回程度にとどめているそうです。またオーダーも作って手渡すこともあり、11カ月かけて作りました。


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さゆりさんはアイヌの刺繍についてはだけではなくもっと深いところシャーマニズムという視点からもアイヌの文化を知って欲しいと締めくくられました。

という事で千早赤阪村の山奥に住むさゆりさんを取り上げました。大阪唯一の村の山奥には本当に個性豊かな人たちが移住してきています。


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この記事を書いた人

奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。

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