【松原市】阿呆に似て非なる阿保(アオ)は、在原行平・業平の父由来の地名。中高野街道と長尾街道の交差地点にある阿保茶屋跡

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3月までは取材の担当地域が限られていましたが、4月以降はその必要もなくなり、南河内地域を広範囲に動き回れるようになりました。特に藤井寺、羽曳野、松原のあたりはこれから積極的に回って行けたらと考えております。



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そんな中、今回は松原市の近鉄河内松原駅の近くにある阿保茶屋跡を紹介します。

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阿保は「あお」と呼びますが、無知な私は漢字を見て、当初「あほ」に見えてしまいました。「あほ」として使われる漢字は「阿呆」なので、似て非なるものです。では松原の阿保とはどこから来たのか調べてみました。



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(途中で見つけたレトロな看板)

松原の阿保とは、阿保親王(あぼしんのう)から来ているそうです。阿保親王は、平城天皇(へいぜいてんのう)の第一皇子です。平城天皇は平安京を作った桓武天皇の後を継いだ第51代天皇です。

そして、平城天皇の皇子として阿保親王は生まれ育ちましたが、皇位は弟の嵯峨天皇が継ぎました。背景には阿保親王の母親が葛井藤子という現在の藤井寺駅周辺に勢力を持っていた豪族出身だったのに対して、弟の高岳親王(たかおか しんのう)の母親が藤原氏(藤原式家)出身ということが挙げられます。弟の母親のほうがとても地位が高い貴族だったことで、弟のほうが皇太子となります。



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(阿保茶屋跡にあった石碑、手前に松原村の文字が)

ところが高岳親王は、平城上皇と嵯峨天皇の対立がきっかけで、809年に起こった薬子の変(くすこのへん)に巻き込まれ、皇太子の地位が奪われたとのこと。

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阿保親王はは直接の当事者ではなかったものの、その影響で大宰府に左遷されてしまいました。平城上皇崩御後の824年に許されて戻ってきます。

(旧松原村の出征軍人の石碑)

ちなみに、阿保親王の子どもには在原(ありわら の)行平(ゆきひら)・業平(なりひら)兄弟がいます。



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これは平城天皇の皇子(阿保親王・高岳親王)の子女らが臣籍降下して、在原氏(ありはらうじ)が誕生したからです。

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兄の行平は百人一首の代表歌を出しながら、官僚としても中納言という高位にまで行きました。弟の業平は、平安時代を代表する傑出した 6人の歌人(六歌仙)のひとりであり、日本最古の歌物語とされる「伊勢物語」の主人公のモデルとも言われる芸術家です。


(別の顕彰碑)

そして、阿保親王が松原のこの場所に別荘を営んだことから「阿保」という地名ができたのです。



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それは薬子の変の影響で左遷され、後に許されて大宰府から戻ってきた阿保親王が母親を頼って南河内に来て、葛井氏の拠点の近くに別荘を構えたからです。

いままでの内容については、阿保茶屋にある説明板でも紹介されています。

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顕彰碑等の隣に阿保茶屋があったことを示す別の説明板があります。面白いのは阿保茶屋は「あおちゃや」ではなく、「あおんちゃや」と呼ぶそうです。松原市の公式ページにも「ん」を入れて読むことを注意する必要(外部リンク)があると記載されていました。



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(中高野街道と長尾街道の交差点)

ちなみにここは南北に中高野街道と東西に長尾街道があって交差する付近です。画像は中高野街道から撮影しています。長尾街道(堺から葛城市長尾神社までの街道)は、画像上では左上に続いている道です。

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(長尾街道から見た交差点。画像左右の道が中高野街道)

さらに説明板を見るとここは、旧阿保村と旧松原村上田との境界線で、画像の左側(長尾街道の北側)が旧阿保村で、画像の右側(長尾街道の南側)が旧松原村上田です。ふたつの村同士でひとつのコミュニティを形成したとの記載もあります。



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ということで河内松原駅近くにある阿保茶屋をご紹介しました。今は茶屋の名残などまったくわかりませんが、かつてふたつの村のコミュニティぃの場だったこと。

それを示すように旧松原村の出征軍人の石碑が、茶屋跡地に建てられていました。そして説明板があるからこそ知りえた歴史の足跡でした。

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阿保茶屋跡

住所:大阪府松原市上田1丁目11-11
アクセス:近鉄河内松原駅から徒歩3分



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この記事を書いた人

奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。

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