【河内長野市】東日本大震災がきっかけで誕生。4月12日ぶどうの会主催の演奏会の「つまようじ讃歌」とは

河内長野の行事・イベント

本日、東日本大震災からちょうど15年が経過しました。河内長野を含めた南河内地域は直接的な影響はなかったものの、支援側として東北の被災地とのつながりがありました。

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(奇跡の復興米の苗を見つけた菊池妙さんからのメッセージ:今年の和太鼓まつりの案内より)

例えば富田林市では、当時大阪府議だった吉村市長が私的なボランティアとして、「ひょっこりひょうたん島」のモデルの島がある岩手県大槌町に駆けつけ、最終的に奇跡の復興米をもらい受け、今もそれを大切に、市内で育成しています。また先日行われた富田林和太鼓まつりも岩手県大槌町の支援事業として行われています。



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(今年行われた和太鼓まつりより)

しかし、大槌町は富田林だけでなく、河内長野とも接点がありました。「カウンターパート方式」と呼ばれる被害の少ない各自治体が継続支援先を分担することになり、大阪府と和歌山県が岩手県の支援を担当し、富田林市のほか河内長野市も大槌町担当となったそうです。

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すばるホールで、本日、震災特別番組を無料で投映

河内長野市も過去には大槌町を支援する河内長野市民の会「絵画・講演等を中心にした大槌町展」(外部リンク)が行われた記録があります。

ところで、それとは別に東日本大震災と河内長野との関係で紹介しなければならないことがあります。それは東日本大震災がきっかけで誕生することになった「つまようじ讃歌」という歌のことです。



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つまようじといえば、昭和40年代には国内生産量の95%を河内長野が占めていたとされる地場産業です。昨年から11月24日を「いいつまようじの日」として記念日を制定したり、市内在住ミュージシャンのサキタハヂメさんが、万博会場(シャインハット)で、次回の奥河内音絵巻のテーマを「つまようじ」と発表するなど、地場産業が再び脚光を浴びつつあります。

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(駅前長野商店街にある、つまようじをイメージして塗装された柱)

そんな中、つまようじ讃歌とはどういう歌で、なぜ東日本大震災と関係があるのでしょうか?関係者からの取材をもとにまとめてみました。

東日本大震災と「つまようじ讃歌」誕生の経緯

(つまようじ讃歌を作った寺門隆弘さん)

つまようじ讃歌の作詞作曲をした寺門隆弘さんによるつまようじ讃歌誕生の経緯に関する貴重な情報を入手しました。それによると寺門さんが仕事の関係で当時京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)の通信教育を受講され無事に修了。2011年3月20日に卒業式に出席するために京都に行く予定にしていました。ところが9日前に東日本大震災が起こって被災し、残念ながら卒業式に行くのを断念せざるおえませんでした。

そのころ同じ大学で学んだ同期生がいて、そのうちのひとりが物理的な面と精神的な面の両方から、寺門さんを支援をしてくれたそうです。とても感謝した寺門さんは、その人に何らかのお礼をしたいと考えていました。



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その支援してくれたのは河内長野在住の人で、卒業論文が『楊枝産業の技術史―河内長野から見た楊枝の歴史―』だったのです。その方は自分の住んでいる河内長野の地場産業を大学の卒業論文のテーマにしたからなのですが、寺門さんはこの時にひらめきました。

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「つまようじに関わる歌を作ってお返ししよう」と。

寺門さんはつまようじを改めて研究、つまようじにはよく見かける丸いもののほか、三角や四角いものがあることに気づきます。寺門さんは楊枝の形状から3番まで作ったあと、4番として細い体のつまようじが地場産業として河内長野を支えていると謳う歌詞としました。

こうして誕生したのがつまようじ讃歌で、2013年のことです。ちなみに下の画像で登場する筒井さんとは歌声喫茶主宰で「つまようじ讃歌」伝道師ともいえるほどの方。今回の情報を知ったのもこの方のおかげでした。さて、1番だけですがどのようなものか引用しましょう。

1. 今日は 今日は 今日はうどんかいや おそば
食事のあとのエチケット 丸い楊枝で
ちょちょちょーいちょいー
ちょちょい ちょいちょい ちょい ちょちょい一
さわやか、お口が笑ってる

(2013年のお披露目会が心斎橋で行われたときの画像)

ちなみにずっと同じ雰囲気の曲調ではなく、1番が音頭、2番が小唄、3番がタンゴ、4番が演歌調とのこと。どんな曲かとても気になりますね。

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つまようじ讃歌を吹奏楽界の「神」の指揮によりラブリーホールで演奏を

さてこのつまようじ讃歌ですが、残念なことにほとんど情報が無く、「知る人ぞ知る謎の歌」のような扱いになっています。しかし、そんなつまようじ讃歌を生で聴くチャンスが4月にあります。

それは「Gratitude New Winds(グラティデュード・ニュー・ウインズ)」演奏会河内長野公演です。これは、河内長野にある団体「ぶどうの会」が主催する吹奏楽の演奏会で、4月12日にラブリーホールの大ホールで行われます。主に次のプログラムを予定しています。



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  • フェスティバル・バリエーション
  • 月下に浮かぶひとすじの道標
  • 喜歌劇「メリーウィドウ」セレクション
  • 「つまようじ讃歌」

寺門さんによれば、2016年につまようじ讃歌の吹奏楽版をつくったのですが、初演が10年の時を経てラブリーホールで実現したそうです。

(昨年12月のブルーウィンズの定期演奏会より)

それだけでも特筆すべき内容ですが、今回の演奏会を指揮する新子菊雄(あたらしきくお)氏が凄い人物だといいます。演奏会を主催するぶどうの会によれば、河内長野ラブリーホールに所属する吹奏楽団ブルーウィンズの浜田俊毅団長が「本当に新子さんが河内長野に!その方は吹奏楽団の世界では神のような人ですよ」と驚くほどなのです。

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新子さんの経歴と今回の楽団「Gratitude New Winds」についておさらいすると、1953年生まれの新子さんは、小澤征爾氏のオーケストラリハーサルから多くを学んだのち、1979年から母校である天理高校に奉職します。

(画像はイメージです)

そして天理高校を吹奏楽の強豪校に育て上げました。天理高校吹奏楽部は名門校として全日本吹奏楽コンクール金賞22回、優勝8回という金字塔を打ち立てているのですが、そのうちの金賞14回は新子さんが関係するもので、出場すると必ず金賞を取るほどの実力がありました。

1984年にはオーケストラを結成し、国内外で審査員として審査を行ったりワークショップを行うなど、吹奏楽部では神の名にふさわしい方です。そして新子さんが古希を迎えた2023年に、先生の教え子だった天理高校のOB・OGを中心ととなってお祝いの意味も込めて結成されたのがGratitude New Windsです。



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ぶどうの会の方によれば参加メンバーは各方面でプロとして活躍している人も数多く含まれているそうですが、皆さん手弁当で参加(報酬はもちろん交通費などの経費の支給も受けず、完全自己負担で参加)されるとのこと。

(故・谷村新司さんが生まれた場所の近く)

そんな素晴らしい楽団が河内長野に来るのもすごいですが、その人たちが「つまようじ讃歌」の演奏も快諾したのは驚きです。しかし、新子さんの方から「河内長野らしいものを入れたら観客の人が喜ぶのでは」と言ってくれたこともあり、だったらと、つまようじ讃歌を入れてくれることになったそうです。

またチラシには書いてありませんが、河内長野で生まれた谷村新司さんにちなんで「昴」の演奏も予定しているそうです。現在公演のチケットを販売中で、ラブリーホールの窓口で販売しています。

「中高生の吹奏楽部部員を招待しよう」演奏会を主催する「ぶどうの会」とは

さて、新子さんが率いる吹奏楽の楽団を河内長野で演奏会実現のために奔走した、演奏会の主催する「ぶどうの会」とはどういう組織でしょうか?「ぶどうの会」だけで連想すると、ぶどう農家など、ぶどうに関係するひとの集まりかなと思いますがそうではありません。元々は前職で同じ釜の飯を食べた同僚や縁があって偶然知り合った仲間の集まりです。

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現役時代に主に仕事を生きがいとしていたような人が、定年を過ぎてから生きる目標を失う場合もあり、せっかくそれまで積み重ねた技術や経験が無駄になってしまいかねません。そればかりかその人自身の健康面に影響が出る場合があります。そこで、そういう知識や経験を活かせる場所として、何かできないか、それが結果的に社会貢献に繋がればということでぶどうの会を設立したとのこと。



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そんな中、つまようじの広栄社の稲葉会長や市議会の方々、地元企業の名士といった人たちとの交流を通じて、河内長野を学ぶことを目標に次の事業にスポットを当てた事業を行うことを考えています。

  • 河内長野市内の自然にスポットをあてた事業
  • 河内長野市内の地元企業とタイアップした事業
  • 河内長野市内の未来を託す子供達の支援に関わる事
  • 健康長寿社会の発展に向けての一助となる事業
  • 組織メンバーのそれぞれの人脈を通じて可能となる事業
  • その他、事業を運営していく上で発案した事業

このほか、あまり人の目に触れられていないその業界の「匠」と言える人にもスポットを当てることを考えています。匠の技術を多くの人に知ってもらえるような支援をしたい。今回の新子さんやぶどうの会の活動に共感し、賛助会代会長となった広栄社の稲葉会長もそんな匠だといいます。

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ではなぜ会の名前が「ぶどう」なのかといえば、ぶどうの房の「丸が繋がり合うさま」をイメージしています。そして「思いやりの心」「優しい心」「健やかな心」「親切な心」

の4つを心を持ち、愛と絆で繋がっていき、「仲間ひとりひとりが頑張れる場所」を作りたいと考えているそうです。

そして今回の吹奏楽演奏会にはもうひとつの意味があります。それは地元河内長野の吹奏楽部の部員300名の招待を考えてていることです。そのため主に市内の中学や高校に働きかけているとのこと。古希(70歳)を過ぎて本来なら余生を過ごすような新子さんが、教え子たちによって結成された新たな楽団を率いて指揮する素晴らしい技術。これを吹奏楽を志す生徒たちに実際に見聞きできる機会があれば、大きな影響を与える可能性があります。

さらにそれがきっかけで将来、河内長野から吹奏楽の世界で新子さんのような有名な人が誕生するかも知れないとぶどうの会のメンバーは語ります。つまり単なる演奏会だけでなく、次世代に伝え育てていきたいという目的もあるそうです。



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(ぶどうの会の会合は広栄社さんで行っていました)

ということで、東日本大震災をきっかけに誕生したつまようじ讃歌とつまようじ讃歌を披露する機会の演奏会が4月12日に行われること、単なる演奏会以上に、社会貢献のためにこれから様々な活動に取り組もうとされている主催者のぶどうの会について取り上げました。

ぶどうの会の活動については、これからもいろいろと行われると考えられますが、まずは4月12日の演奏会に参加してみてはいかがでしょう。素晴らしい吹奏楽団が演奏する「つまようじ讃歌」がどのようなものか私も気になります。

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ラブリーホール(Gratitude New Winds演奏会河内長野公演)

住所:大阪府河内長野市西代町12−46
日時:2026年4月12日 14:00開場、14:30開演
料金:前売1,200円、当日1,500円、高校生以下1,000円 ※乳幼児入場不可
アクセス:ラブリーホール前、西代町南バス停下車すぐ、南海・近鉄河内長野駅から徒歩12分



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この記事を書いた人

奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。

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