千代田あいあい通りには何軒もお店がありますが、以前から気になっていたのがCUT SALON Linkさんです。なぜならば昨年から今年の夏ごろにかけて、店の見えるところにコンテストで優勝したことを記念する大きな旗が置いてあったからです。
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先日ワークワクワク河内長野でお世話になったサン・リードの浦さんに、CUT SALON Linkのオーナーの井上さんが商店会の会長をされているというお話を伺い、ぜひにとご紹介していただきました。
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(第64回近畿理容競技大会第2部門優勝のトロフィー)
というわけで、オーナーの井上尚樹さんにお話を伺う機会をいただきました。井上さんから最初にトロフィーを見せていただきました。こちらのレプリカは2024(令和6)年に、近畿で第1位となったものです。第64回近畿理容競技大会レディス・クリエイティブヘア(外部リンク)で、井上さんが優勝したものです。
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東京で修業したのち河内長野へ

井上さんは、河内長野出身ではなく大阪市内で生まれ育ちました。実家も理容師ということから、理容師の専門学校を出て修業のために東京に行ったそうです。
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東京の江東区で夢島が近くにあるところや浅草の店で修業をしていました。下町の雰囲気が残る場所だったこともあり、関西弁に違和感を持つお客さんも少ないながらいたそうです。それでも実家で下積みをしていたこともあり、初心者ではない立場でお店に入っていたとのこと。
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結局東京で6年修行した後に大阪に戻ります。当初は実家を継ぐことも考えていましたが、最終的には外に出て独立することを決意。そしてある方の紹介があって河内長野に来て理容師として働くことになったそうです。今のお店には従業員で入ったのち、当時の店主さんが引退することになったので、そのままお店を引き継ぎました。
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初めて河内長野千代田に来た時の印象は、太陽が近く感じたそうです。建物が並んでいる大阪市内と比べて千代田の周りには田畑が広がっている場所もあり、余計にそのような感想に。また、8月に来たので「暑い」というのが記憶に残るほどインパクトが強かったとのこと。
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実は会社員だった井上さんのお兄さんが汐ノ宮に住んでいたのですが、井上さんが河内長野に来た当時はそのあたりの距離感がわからず、実はとても店から近いことを後で知ったそうです。
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格安ではなく技術で勝負

井上さんは、1989(平成元)年のころに東京、1995(平成7)年に河内長野に来たわけですが、理容業界で当時と今との違いについて語ってくださいました。
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当時は格安店が登場する少し前で、理容院の料金が3,000円台が当たり前の時代でした。そして少しでも髪が伸びたらすぐに理容院に来てくれたので、1日当たりの客数は少ないときでも60~70人。多い時には80~90人、年末には100人くらい来ていた時期もあったそうです。
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格安店は1998(平成10)年頃から現れ始めました。低価格でカットをするので人気が出てきたのですが、井上さんは格安店とは一線を画したいとの思いがありました。

「だから技術を上げることに集中しました」といいます。技術よりも早さと安さと回転率で稼ぐのが格安店。飲食店に例えるとファストフード店のようなものです。それに対して井上さんの目指しているのは、少し料金が高くても美味しいものが食べられるようなレストランということで、より技術向上を目指したそうです。
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その結果、理容師の組合に入っている人向けに行われているコンテストに出場し、近畿で1番を取るなどの結果を出しました。全国大会でも名前が出る20位以内に常に入っています。全国大会は本部が東京にあるため、東京が基準になるものの、大阪の技術レベルは高いそうです。
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また井上さんの話では多くの人が学校を出て、練習で髪を触れても本番ではお客さんの髪をなかなか触らせてもらえないそうで、しばらくは掃除などの下働きが中心。それに耐えられず1年で5割の人が辞めてしまう世界で、これには指導者の問題もあるといいます。

理容競技大会(コンテスト)に出られるのは技術のある人だけ。だからコンテストに出て上位に進出する技術がある店として、格安店との違いをアピールするのが目的です。
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現在、井上さんは美容師の免許を持つ娘さんと二人で店を営んでおり、専門学校の時代から店に入っている娘さんに直接技術指導を行ってきました。
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理容師だけではやれることが限られる。だから今からでも美容師を目指す

井上さんの挑戦は、技術を競うコンテストだけではありません。実は10年ほど前、2014(平成26)年~2015(平成27)年にかけて理容師にとって衝撃な法律の改正が行われました。
(2) 美容師がカッティングを行うことは差し支えないこと。
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厚労省 理容師法及び美容師法の運用について(外部リンク)より一部引用。

これは、それまで法律違反だった美容師による男性のカットができるようになったことを意味します。実はこの法律改正以前は美容師が男性のカットをできなかったので、男性は理容室に来てカットをするしか方法がありませんでした。しかし、法律改正以降は例えば男女で美容室に行って美容師にカットしてもらうことも可能になりました。理容師にとっては青天の霹靂の、大変な出来事ともいえますね。
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現在の若者で美容師を目指す人が20人いれば、理容師を目指す人は1人というくらいの比率になっており、理容だけでは仕事に大きな影響が出てくる状況になりました。

既にお嬢さんは美容師免許を持っていますが、なんと井上さん自身も今現在、美容師専門学校に通い、免許を取得する勉強をしているとのこと。「この年齢からでも美容師を目指す」と、井上さんは年齢や立場も関係なく挑戦を続けています。
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将来の美容院を意識して2年前に店内を明るく改装したそうです。店名のCUT SALON LINKの下に「La beauté(ラ・ボーテ)」と書いてあります。これはフランス語で「美しさ、美」というの意味。つまり看板にも美容師になる夢を表現していたのです。「ひとりのお客さんだけこのことに気づいてくださった」と井上さんは苦笑いを浮かべました。

実際に美容師になってすべてを行うかどうかは別として、カットのほか、ネイル、メイク、まつげ、セットなど、カットを中心とした理容師と比べてできる範囲が広がります。「年をとっても夢も希望も持つオーナーであり続けたい」と、井上さんは美容師を目指して挑戦を続けています。
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そのほか、河内長野特有の理由もありました。高齢化が進んでいる河内長野で、今まで常連客として来ていた方が高齢を理由に外に出られなくなり来店者が減ります。

この対策というわけではありませんが、新しい理容のあり方として、新たに出てきた理容の仕事として、出張理容があります。自力での外出や店舗来店が困難な方を対象という条件で行うもの。高齢化社会が他の地域に先んじて進んでいるとされる河内長野では、これからますます需要がある気がしました。
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千代田東商店会の会長として

井上さんは、千代田東商店会の会長でもあります。「千代田発信」を掲げ、昨年は駅フェス千代田をモリ工業さんの敷地内で行い、多くの人で盛り上がりました。
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(昨年11月の駅フェス千代田)
「まだ構想段階で何も決まっていないけど出来たら今年もやりたい」と井上さん。今年もシルバーウィーク(9月の連休)ころにでもできたらと話していました。

そして商店街のイベントと絡めたらいいなと、地域を盛り上げるために頑張りたいと締めくくられました。
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人気店オーナーとして地域の人たちの髪を長い間整えてきて、美容師免許を持つ娘さんという後継者もいるのにあえて自ら美容師も目指す。そして技術を競うコンテストで近畿大会優勝に飽き足らず、日本一になりたいという強い意志を持っている井上さん。お話を伺いながら、チャレンジを始めるのに年齢は関係がないことを教えていただいた気がしました。
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CUT SALON LINK la beaute
住所:大阪府河内長野市千代田南町2-20
TEL:0721-53-9871
営業時間:9:00~18:00
定休日:月曜日、第2、第3火曜日
アクセス:南海千代田駅から徒歩3分
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この記事を書いた人
奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。



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