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お店は生き物ではありませんが、お店を運営するのは人。だからでしょうか?生きているかのように開業し、そしてさまざまな事情によりお店を閉店ということもよくあること。
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コロナ渦の今年は、例年にも増して年内で閉店という言葉を聞く機会が多いように思います。
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Yahoo!地域ライターになってからいつかは取り上げようと考えていた美加の台の名店、『パテスリーノワ』さんが今年いっぱいで閉店するということを知った時、悲しいと同時に、ぜひともこれまでのお店の歴史をここで皆さんにご紹介したいと思いました。

そしてお店の人に連絡をしました。「これ以上忙しくなったら困るから」と一度は断られたものの、再びご主人自らご連絡があり、「まだ閉店のことを知らないお客さまがいるかもしれないから、お知らせしたい」と取材に応じてくださいました。
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パティスリーノワさんのお話の前に、その行き方からご説明します。南海美加の台駅から美加の台を巡回するバスに乗り、延命寺口バス停で下車。そこからは歩いて2分もかからないところにお店があります。
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こちらが入り口に貼られていた閉店のご挨拶です。お店を切り盛りされていたご夫婦おふたりの閉店の想いと、お客さまへの感謝の言葉が丁寧につづられていました。

ちょうどお約束の時間、中に入ると、店主ご夫妻が温かく出迎えてくださいました。私が来たときに1組、そのあともう1組来られました。その間にも別にケーキのお持ち帰りの人が何人も来店されるなど、かなりお忙しい中ででしたが、それでも合間を縫ってゆっくりお話を聞くことができました。
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12月に訪問しましたので、店の中はクリスマスモード全開。山に囲まれた美加の台らしく、窓から見える木々が、ヨーロッパの郊外に来たような気持ちにさせてくれました。
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この飾り物は、ご自身が海外で買い付けて来たもののほかに、お客さまからのプレゼントも少なくないということ。そのお話だけでも、ノワさんがお客様に愛されていたことが十分すぎる程わかります。

さてノワさんは、40年前の1981年に、堺市の浅香山で開業しました。浅香山にしたのはご実家がそこにあったからだそうです。当時は製菓系の専門学校もなく、10年くらいいろいろなケーキ店で修行を積んだのちに独立されたのだとか。
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転機が訪れたのが26年前のこと。1995年、阪神淡路大震災のあった年に、美加の台に移転することになりました。その理由として、美加の台のこの場所が自然豊かであること、小中学校が美加の台内にあり、仕事をしながら子育てをするのに、子供に目が届きやすいという点がポイントだったそうです。
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お話を聞きながらとなりましたが、私もさっそくドリンクをいただくことにしました。メニューを拝見しましたが、ドリンクへのこだわりが本当にすごい!
パティシエであるノワさんからすると、ドリンクは他の店と変わらないと謙遜されていましたが、そんなことはありません。
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メニューには、チャイもありました。ノワさんは、ご夫婦自ら、紅茶やコーヒーの仕入れや勉強のために、海外の産地に渡航をよくされていたとか。もちろん、インドのアッサム地方にも行かれていて、本場の味も確認済みです。
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こちらは月替わりの限定コーヒー。令和3年12月のノワさん最後の月は、エルサルバドルの味が堪能できます。

ケーキも味わいたいと思い、あとで持ち帰りをお願いしようと思っていたら、次から次へとお客さま。このままでは売り切れてしまうと、先にケーキをお取り置きお願いしました。
それは正解でした。平日でしたが、17時前にはほとんど売り切れてしまっていました。

ちなみにケーキは、店の営業が終わった後、前日の夜23時くらいまでかかって仕込んでいるとのこと。朝は8時から仕事を始めるということですので、15時間労働されていることになります。想像以上に重労働の毎日を、40年間続けてこられたというわけです。
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もうひとつのドリンクは、おすすめの紅茶を注文しました。
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この画像を見てください。ポットに入れて運ばれてきた紅茶を直ぐ飲むのではなく、5分間待ってくださいという合図の砂時計。砂がすべて下に降りる5分後が、飲みごろ。しかもそのポットには、紅茶の本場イギリスでよく見るポットカバーがかぶせてあります。

時間が来たのでカップに紅茶を注ぎますが、このように茶葉を受けるようになっています。まさに、イギリス式の紅茶を楽しむスタイル。最近のカフェで、ここまでこだわっている店はそう多くはありません。ちなみにカップは、ノリタケを使っていらっしゃいました。
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こうして紅茶を味わいました。ミルクを加えないストレートでも、実に風味良く、至福の時間を味わえました。
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こちらは日本紅茶協会が認定する美味しい紅茶の店(2021年11月版)のリスト本です。
全国の名店の中にしっかり、パティスリーノワさんの名前が載っています。

こちらがテーブルに置いてあったインド・ダージリンの写真です(いちばん右が奥様)。各テーブルには、このような旅の様子の素敵な写真が、パウチされて置いてありました。
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海外に行くようになったきっかけを伺ってみました。実は人気ラジオ番組の懸賞に当選して、ご主人が単独で当時のチェコスロバキアに行き、特派員のようにレポートをしたことなんだそうです。
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そうお話を伺ってからあらためて壁を見ると、40年間の思い出がぎっしり詰まったポストカードや写真が飾られていました。

ここで核心に迫ります。閉店の理由です。当初はコロナ禍と思いましたが、「違います。実は今まで以上に忙しかったんです」とのこと。
遠くに行かずに、家に近いお店に行く流れがあったのではとのことでしたが、それが逆に閉店を考えるきっかけになったそうです。
「体力の限界を感じました」
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現在、ご主人が76歳、奥さま71歳。もう本当に限界まで働いてきたということだったのです。
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閉店の話をお客さまに伝えると、惜しむ声と共に「後継者はいないの?」とたびたび聞かれるそうです。
おふたりにはお嬢さんが3人いらっしゃり、そのうちのおひとりは辻調の製菓学校に通い、後継者になることも考えていた時期もあったとか。しかし、子育てをしながらこんな大変な仕事をと、その道は勧めないという結論に達したということです。
お客の立場からするとほんとうに残念ではありますが、こればかりは経営者が決めること。私たち、客の立場としてできることは、閉店までできるだけ通って応援してあげることなのかもしれません。
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私がいたときに来られていたお客さまも「急な話でびっくりしました」という人もあれば「もう少しだから、頑張って」と励ます人。いずれにしても、ほんとうに愛されているお店なんだと思いました。
ノワさんによると、同店のお客さまは、近隣と遠方の両方から来られているということ。お客さまの中に、20年来の常連さま、富田林から電車とバスを乗り継いでほぼ毎日来られる方もいるそうです。
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ノワさんのケーキは、「他の業者が聞いたらびっくりするようなランクの材料を使っている」とか。原価を度外視して最大限の良いもの作りたいと、こだわりのノワさんだからこそ、こういう熱狂的なファンがおられるのもうなづけます。

私以外のお客様がすべて帰られてから、ご夫婦の話に驚くべき事実が次々と出てきました。なんとケーキに使うハチミツを、ご自身で採取されているというのです!
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そしてこのように、蜂蜜品評会で入賞もされていました。
自家製のハチミツをとるための蜜蜂の巣箱は、店から400メートル、美加の台から延命寺に向かう途中に置いてあるのだそうです。
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巣箱にいる蜜蜂の写真も見せてくださいました。とても大きくて元気そうな蜜蜂たち。最初に伺った移転の理由のひとつ、山に囲まれた美加の台だからこそ、こうしてできることですね。
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さらにこちらは、スズメバチの焼酎漬け。

こちらは、ノワさんで大人気のバレンタイン用チョコレートボンボンを作る際に使っていたという、サクランボを洋酒に漬けたもの。他にも、近くの山から採ってきたベリー類などを漬けていたりと、いろんな自家製のものがあり、それをケーキなどのスィーツに使われていたのです。
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そして、店内にさりげなく置いてあったこちらのものは、海外の珍しい民族楽器たち。ご主人が実際に音を出してくれましたが、初めて見る物ばかりで、世界には面白いものがいろいろあるんだと思いました。
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(店内で販売されていた手づくりのグッズたち)
最後に、閉店後のお店についてお伺いしました。店は取り壊さずそのまま残し、リビングの様な形にされるとのこと。先ほどから見せていただいたように、40年間の思い出の品がたくさん店に飾られているので、できれば現状のまま置いておきたいとのことでした。
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こうして注文したケーキを手に持ち、店を後にしました。店はあと半月で終わりますが、お客さまの記憶にはきっと生き続ける。そして、文章でもこの場を借りて残させていただくことができました。河内長野市民の一員として、もっと早くノワさんのことを知り通うべきであったことだけが悔やまれています。
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こちらがノワさんの残りの営業スケジュールです。火・水・木が定休日。そのほかテイクアウトのみの日(23、24、25、31)があるので、来店の際には注意してください。
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こちらが持ち帰ったケーキ3種類です。どれもあっという間に、とてもおいしくいただきました。閉店まであと半月、ノワさんではクリスマスケーキの予約も行っているそうです。ただ既に予定数に達しているものがあるので、予約の際には何が可能かお問い合わせください。

パティスリーノワ(外部リンク)
住所:大阪府河内長野市美加の台5丁目6-1
電話:0721-68-8626
アクセス:南海美加の台駅からバス 延命寺口バス停 下車徒歩1分
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この記事を書いた人
奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。
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