4年も地域の記者を続けていると、イベントに屋台出店している人やキッチンカーの人、あるいはシェアキッチンで間借り営業していた人たちが、ついに自分の店として開業したというパターンを何度も見かけます。一例ですがカフェテリアハシミヤさんや富田林のMAYUキッチンさんなどもそうですね。さらに最近もう一店、素敵な大人のバー「ハンブバックスモーク(bar.humpback&smoke)」さんが河内長野駅近くの本町に誕生しました。
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最初はあるイベントで

ハンブバックスモークさん(以下、ハンブバックさん)を初めて見かけたのは、河内長野駅近くに当時あったツバメマンションの屋上で行われた「にゃんこ大バザール」でした。燻製(スモーク)を特徴とした食べ物とこだわりのウイスキーを出していて、なかなか素敵な屋台だなと感じたものです。
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以降、何度かイベントでハンブバックさんの姿を見ました。例えばこちらは富田林の万里春ビアホールで行われたあるイベントですが、こちらでもハンブバックさんが屋台を出していました。
河内長野駅近くで物件確保し工事開始(5月上旬)

ハンブバックさんを経営しているのは、大阪狭山市に住んでいるご夫婦(黒田守さんと真由美さん)です。今年の初めごろから南河内や堺辺りを対象に、自分たちの店を出店しようと物件を探しているという情報を聞いていました。担当地域なら良いのにと思っていた矢先、なんと河内長野の駅から徒歩圏内の階段の下に理想の物件を確保したという情報を得ました。

場所は河内長野駅から右手に、ノバティながの北館がある長野商店街のアーケードを通り抜け、南喜久さんや石駒さん、似顔絵ショップデトロイトさんがある道を歩くこと6分です。そして階段の下にお店があります。
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工事も業者任せではなく、黒田御夫婦と同じ志を共にするメンバーとで工事を進めていこうということでした。そういう動きもとても気になり、店がオープンするまでの間、ハンプバックさんを追いかけてみることにしました。

これは5月上旬ごろの様子です。契約したのがいわゆるスケルトン物件です。これは何もないガランドウの物件で、何もないから理想的なレイアウトができる反面、すべてを自分たちで揃えなくてはなりません。

そして、物件は階段の下にあり、雑草や虫も多くいたので、きれいに掃除をする必要がありました。真由美さんは作業服に身を包みながら、有志の人たちと共に掃除を一生懸命に行っている姿が印象的でした。
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もちろんすべてを自分たちではできませんので、技術を持っている専門家も参加しての工事です。
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「さて、これからどうなるかな」ということをこの時は言われていましたが、いちばん左に映っている守さんの顔の表情を見る限り、希望に満ちているような気がしました。
市広報からの取材?(5月下旬)

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さて、5月下旬になって再訪すると、ハンプバックさんは取材を受けていました。

そして驚いたことに、カメラを構えているのは河内長野市の広報の方です。河内長野市内で新たに店が開業するので関係あるといえばありますが、それにしてもずいぶん早いなと思いました。詳しくは触れませんが、結論を言えばこれはハンブバックさんに対する間接的な取材というべき状況で、その一部が市の広報誌で採用されたのです。
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(このころに店のロゴができていました)
さて、守さんがスモーク(燻製)のバーを始めようと思ったのは、もともとウイスキーが好きで飲み歩いていたことが源流でした。2015年に真由美さんとご結婚されたのですが、それまでは普通の会社員として働いていたのです。しかし、いずれは「自分のやりたいこと」をやりたくなったといいます。それがウイスキーとスモークのバーだったのです。

(店の設計図)
ハンブバックさんは、コロナ禍が始まるころからイベントの出店を始めたとのこと。千早赤阪村での出店をきっかけに、当時は上方ビールで働いていた南さん(現。万里春ブルワリーの醸造責任者)と知り合ったそうです。ちなみにイベント出店をメインで運営されていたころは、大阪市内などに行くこともありながら、基本的には大和川より南側(堺、泉州、南河内)が多かったそうです。

そして守さんが50歳を迎えるにあたり「そろそろ自分の店を持ちたい」ということで物件を探し始め、今の物件に出会ったとのこと。

守さんはウイスキーエキスパートとウイスキー検定1級資格を持っていて、真由美さんは料理を得意としています。さらに車を運転している人やお酒が飲めない人でも楽しめる店にしようと、アルコールの入っていないカクテル(モクテル)も楽しめる店を目指すことになりました。
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このころには最初の工事の時にむき出しだった配線なども無くなりつつあり、ずいぶんとすっきりした印象でした。

イベント出店で経験を重ね、さらにファンといえるお客さんも得たタイミングでいよいよ自分の店を河内長野市内で持つことになったハンプバックさん。さぞかしモックルも楽しみにしているのではという気がしました。
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完成間近の様子(7月上旬)

当初は7月ごろに開業予定と聞いて7月上旬に3回目の訪問を行いました。すでに入口も大人のバーの雰囲気となっていました。ところが冷房設置作業に手間どってしまい、実際には9月のオープンまで待つことになってしまいました。
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「開業までにいろんなことがあるんだ」と思いつつ中を拝見しました。床も温かみのあるウッディな雰囲気になり、すでにカウンターもできています。

カウンターは一枚板を使っているそうで、あまりにも重いのでSNSで設置を手伝ってくれる人を募集したそうです。すると驚いたことに20人もの有志が集まったといいます。この話を伺っただけでハンプバックさんがすでに多くのファンを持っていることの裏付けになると思いました。ちなみに棚には既にお酒の瓶が並んでいます。これから少しずつ品ぞろえを増やしていくとのこと。

厨房も拝見しました。普段お客さんが見られない場所なので貴重でした。ここでスモークされた食材を使った料理が作られるわけです。料理のほうは真由美さんの担当です。
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そして開業後に訪問しました

プレオープンを得て9月に正式開業したハンプバックさん。開業当初は知人友人や今回のお店の工事にかかわった有志、またイベント出店時代からのご贔屓さんなどの来店で忙しいと思いましたので、私は10月に入ってから訪問しました。
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ハンプバックさんは16時からお店を開けていて、私が訪問した時刻は16時半前でした。深夜に営業する印象が強いバーですが、ハンプバックさんは「早い時間に来た方がゆっくりと時間を過ごしていただきたい」との思いがあるので、当面16時から開けているそうです。

お酒の品ぞろえもほぼそろっていました。
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SNSで事前にハンプバックさんに来店されるお客さんの様子を見ていたのですが、結構若い人が来ている印象でした。しかし、実際には遅い時間(21時以降)を中心に、2軒目の店として年齢層高めの人たちが来られているとのこと。以前聞いたことがありますが、河内長野駅前ではお酒好きな人が駅周辺の店を巡回しているそうなので、ハンプバックさんもその巡回ルートに入れたということだったのです。

カウンターとは別にテーブル席もありましたが、基本的にはカウンター8席のお店というスタンスです。
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椅子も一席ごとにデザインを変えていますね。

メニューを見ましょう。カクテルのメニューが並んでいます。

有名な名前のカクテルが並んでいます。これならあまりカクテルとかに慣れていない人でも安心ですね。
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そして、カクテルにそれぞれサブタイトルがついています。これは「カクテル言葉」と呼ばれるものです。花には花言葉があるように、カクテルにも同じように対象となるカクテルを象徴したり、メッセージ性のあるものがついているんですね。

カクテルの名前ではなく、カクテル言葉から選んでも面白そうですね。

メニューの色が変わりました。実はここからがノンアルコールのモクテルです。
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守さんも言っておられましたが、「お酒が飲めないからウーロン茶というのは寂しい。だったらノンアルコールでもカクテルを飲む気分になってほしい」ということでモクテルメニューも豊富に取り揃えています。
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そして、ウイスキーメニューです。

銘柄は書いてあるのでこれを選んで良いのですが、その日に飲みたい味などを守さんに伝えれば、それに見合ったお酒を用意してくれます。
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またボードがありその日のお勧めがあります。観心寺の梅ウォッカ、梅ソーダも気になりますが、ここはクラフトビールから行ってみることしました。

それがこちらの伊勢角屋ビールのペールエールです。伊勢神宮に向かう参道にある二軒茶屋餅を作っている角屋本店さんが醸造しているクラフトビールです。
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1997年から醸造していて、クラフトビールの中では古株です。味わいは安定感のあるうまさで最初に味わうのには最適でした。守さんの話では、「落ち着いたら地元南河内の万里春さんのビールも置けたら」ということでした。
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ハンプバックさんでは、チャージ制となっています。
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突き出しはポテトチップスとその後ろに芋ケンピ(サツマイモを短冊状に切り、植物油で揚げ、砂糖を絡めた菓子)が入っています。スモークしていましたので、普段食べなれている味とは違う旨みを感じました。

さてこちらは、カンパリを使ったカクテルです。
カクテルを作る過程を動画に撮影しました。

スプモーニです。リキュールをベースとした冷たいタイプのロングドリンクに分類されているそうで、イタリアで誕生したカクテルとのこと。食前酒として飲まれることもあるそうです。
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さて、食べ物は何を注文してよいのかわからないということで、盛り合わせをお願いしました。内容は真由美さんに教えていただきました。
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- サラダ
- 人参とズッキーニのアチャール
- ピクルス
- ささみキュウリ(梅干しの燻製)
- 燻製ずり
- 燻製チーズ生ハム巻き
- スモークしたハマチ
- 枝豆
- チクワとナッツの燻製(クリームチーズ挟み)
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店の入り口にある燻製機であらかじめスモークしたものを中心とした一品の数々です。

拡大してみましょう。ささみきゅうりと梅干しの燻製です。ただスモークをしているだけでなく、結構手が込んでいます。

日本人にとってお馴染みのハマチの造りもスモークすることで、味わいに深みを感じました。
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こちらの燻製チーズの生ハム包みも複雑な味わいの中に、鰹節のような旨み(イノシン酸)が感じられます。真由美さんに伺うとスモークするとこのような味がするのは一般的なんだそうです。後日改めて調べると、動物の旨み成分としてのイノシン酸に加えて燻製工程によって感じる「塩味」との関係性を指摘する情報もありました。
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いずれにしても、バーでちびちび飲むリッチなアルコールにふさわしい燻製料理の味わいです。
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本格派のバーそしてアルコール飲めずともモクテルで飲んでる気分が

「シェイカーがあるバーというのが珍しい」と、お客さんさんに言われたという守さん。確かにシェイカーで振ってカクテルを作るようなお店は、最近はあまり見かけない気もしました。
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いつもとは明らかに刻む秒の動きが違う気がする静かな大人空間、ついついアルコールを追加注文したくなります。少し悩みましたが、ここはウイスキーエキスパート&ウイスキー検定1級を持っている守るさんなので、スモークに合いそうなロックのウイスキーをお願いしました。

そうすると3つほど候補を持ってきてくれて、守さんはそれぞれのウイスキーの特徴を言ってくれるのですが、ウイスキーについては素人同然の私は迷ってしまいました。
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本来ならこんな注文の仕方は邪道なのかもしれませんが、くちばしがついたメタリックな鳥のマスクをつけたパイロットを連想してしまうラベルデザイン。それからガラスではなく銅板で覆われてるというボトルの珍しさから、こちらを選んでしまいました。ちなみに守さんは、そんな素人むき出しの客が相手でも「ちっ」とか舌打ちをするような人ではないので、バーの雰囲気に慣れていない人も安心して自分の飲みたいドリンクを任せられます。

こちら「THE DEACON(ディーコン)」というスコッチウイスキーです。帰ってから確認しましたが、スコットランド語で「熟達で堪能な名匠」を意味するウイスキー。私は初めていただきます。ロックということで大きな氷がグラスの中に入りました。
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そしてウイスキーが注がれます。
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ウイスキーの資格を持っている方から注がれるウイスキーなので最もおいしい飲み方ができるのではとついつい期待してしまいますね。

こうしてTHE DEACONがグラスに注がれました。

そしてここから混ぜていきます。様子がとにかくかっこよいですね。
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ウイスキーと大きな氷に閉じ込められた水が徐々に溶け出して馴染んでいく様子がわかります。

こうして完成しました。ロックの氷が熟成を終えた蒸留酒の色に染まった液体の上で、まるで氷山のように浮き上がっていました。味の感想ですが、スコッチウイスキーにはクセがあるとよく言われ、THE DEACONもクセが強いという口コミを見かけました。しかし、燻製料理に合わせたからでしょうか?この時の私はクセの強さをあまり感じることなく、美味しくいただけました。

さて、ハンプバックスモークさんのもうひとつの特徴としてモクテルがあります。お酒が飲めない飲まない人でも楽しめるカクテルということで、今回はシャインマスカットでお願いしました。

右側にシャインマスカットが見えます。これはフレーバーのようなものを使っているのではなく、本当にぶどうを使っているということをお客さんに見せているようなものですね。
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そしてパフェのように葡萄の粒を浮かべるのではありません。ぶどうをミキサーで皮ごとつぶし、それを濾したものをグラスに入れていきます。
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濾されたシャインマスカットの黄緑した液体が、グラス内の氷を経由して下に落ちていきます。

モクテルは本当にアルコールが入っていれば、カクテルと変わらない作り方をするんですね。
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最後に仕上げていきます。

こうしてシャインマスカットのモクテルが完成しました。ただ一粒だけはグラスの上に乗っていました。これは定番のメニューではなく、ボードに書かれたものですが、守さんの話ではシャインマスカットが手に入る間は続けたいとのことでした。

素晴らしい大人の時間が過ごせました。ありがとうございます。
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こちらがハンプバックさんのスケジュールです。火曜日が定休日ですが、後はフェスティバルなどの出店があれば臨時休業する場合があります。また11日、12日の秋祭りの時は臨時休業です。

ご夫婦は、「自分たちの店を優先したいので以前のようには」と言いながらも、お世話になったイベントの出店は続けていくそうです。10月18・19日は岸和田市内にあるとんぼ池公園「水とみどりの音楽広場」で行われる「UUUU.FES」に出店されます。
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また河内長野市内では11月3日の観心寺マルシェKU-RIにも出店とのことでした。

(支払いは現金のほかクレジットカードやPayPayなどが使えます)
現在は16時からスタートしている関係で、「正直身体がキツイ」という守さん。落ち着いたら営業時間を変更する可能性があるといいます。てっきりスタート時間を遅くするのかと思えばそうではなく、週休二日制にするかもしれないとのこと。

16時から開けることは、早い時間にゆっくりしたい人、話をしたい人に来てほしいから変更の予定はないと守さんはいわれました。それを聞くとかつてウイスキーを飲み歩いていた客としていろんなバーに通っていた守さんだからこその言葉なのかなという気がしました。私も早い時に訪問したことで、いろいろ話が聞けましたし、静かな大人の隠れ家のような空間で、時が経つのも忘れながらゆっくりと美味しいものをいただくことができました。

以前、ある飲食チェーンの創業者の方から、創業時の個人のパパママ店(夫婦経営の店)で現場をやっていた時がもっとも楽しくてやりがいがあったということを聞きました。ハンプバックさんは、本格的なウイスキーが味わえる大人のバーながらも、そんな素敵な温かみを感じました。
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ハンプバックスモーク(bar.humpback&smoke)
住所:大阪府河内長野市本町5-10メルベーユB2
TEL:0721-69-7171
営業時間:16:00~23:30
定休日:火曜日と不定休
アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩6分
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この記事を書いた人
奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような情報を発信しています。



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