「古民家の日」というイベントが、羽曳野市で10月3日に行われました。

これは毎年恒例で行われているもので、市内にある3つの古民家を見学して回るイベントです。
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今年になって羽曳野市内を取材で歩くようになった私にとっては、初めての参加で、3軒とも回りました。1軒1軒が素晴らしい建物であったので、全部一度に紹介すると膨大な記事になります。そのため、各住宅ごと3回に分けてご紹介しましょう。

1回目は、島泉の吉村家住宅(よしむらけじゅうたく)です。おさらいすると、江戸時代に大庄屋(おおじょうや)を務めた名家、吉村家の広大な邸宅です。1937(昭和12)年に民家建築として日本で初めて国の重要文化財に指定されたという非常に価値の高い建造物です。

まず道路沿いの外観から見てみました。かやぶき屋根の古民家は、ほんとうにインパクトがありますね。これは長屋門で、吉村家住宅のパンフレットによると総茅葺入母屋造りとのこと。

1615年の大坂夏の陣の直後に再建されたとされ、南河内地方の上層農家(豪農)を代表する歴史的古民家として知られています。
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当時、画像の長屋門を構えることが許されたのは、武士(武家屋敷)か、ごく限られた有力な大庄屋(豪農)のみで、もちろん吉村家はそのクラスです。
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普段は外からしか見ることができませんが、古民家の日は中に入れます。さあ、中に入ってみましょう。

当日は、3つの古民家を回るスタンプラリーも実施していました。

こちらが吉村家住宅のパンフレットです。

普段は入れない門から主屋の間の「前庭(ぜんてい)」と呼ばれる部分です。外から見て中がこんなに広いとは想像できません。
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先ほどの長屋門には、なんと部屋(長屋)がありました。門番や使用人の部屋だったということです。

また正面には「与力窓(よりきまど)」と呼ばれる格子窓があるそうです。与力窓から外部の様子や訪問者の身分を確認できるようになっていたそうです。

横には土蔵が見えます。公文書の保管や来客を接待する際の品を収納するために使われていました。

こちらは式台(しくだい)玄関です。江戸時代に上位の武士、身分の高い賓客を迎えるための玄関で、武士が駕籠(かご)から直接降りられます。

今回は外からでしか見られませんでしたが、その奥は身分の高い武士や役人を接待するためだけに造られた書院造(しょいんづくり)になっています。
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望遠機能でアップしました。「北の間」と書いてあります。

切妻造りの主屋です。やはりかやぶきの屋根が残っていますね。

土間や納屋の部分です。
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では主屋の中に入ってみましょう。

入ってきた入口は大戸口(おおとぐち)です。説明にもありますが、日常的に家族や使用人、近隣の人が使う出入り口です。

さて、吉村家の祖先ですが、鎌倉時代初期の武将である佐々木高綱(ささきたかつな:源頼朝・源義経・木曽義仲らの従兄弟で、頼朝に仕えた)の子孫と伝えられているそうです。

江戸時代には、周辺一帯(丹北郡・八上郡)の18〜38ヶ村をまとめる大庄屋兼代官を代々務めた名家で、地域で絶大な影響力を持っていました。

吉村家住宅は戦後の1953年に、建築史家の浅野清らによって復元修理が行われたそうです。

吉村家住宅の見どころのひとつとして、柱や梁、格子などが織りなす幾何学的な意匠です。

この格子状のデザインは、丹下健三が設計した新宿の東京都庁舎の外観にも影響を与えたとされ、伝統的な民家建築と現代建築を結ぶ興味深い事例として知られています。
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こちらは吉村家住宅の模型です。
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土間に当時使われていたものが保存されています。

これは高札(こうさつ)です。吉村家は大庄屋兼代官だったので、領主からの新しい法令や禁止事項を、領民に周知させる役目も担っていたそうです。

実際の文字も見えます。
かつて使われたと思われる瓦です。鬼瓦のように見えますが顔が優しそう。

古民家の日ということで、ボランティアのガイドの人が説明してくださいました。これは米俵を積む際に壁ギリギリに置いていくために、柱のようなものをつけることで隙間を作って壁に湿気がたまらないようにするためという話でした。

画像の2階部分が出っ張っているのは、女中さんの部屋とのこと。

土間から客間を見ます。今回は土間までの公開だったので上がれませんでした。

土間から客室を撮影しました。吉村家住宅によると、2026年11月14日(土)10:00〜16:00と、15日(日)10:00〜15:30まで秋の公開ということで吉村家住宅が再び公開され、その時は客間まで公開されるそうです。
入場料が500円(吉村家住宅保存会会員無料)です。
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こちらは台所です。

天井裏まで柱があります。

竃(へっつい)さんと呼ばれるかまどです。なぜ竈のことを「へっつい」と呼ぶのか調べると、「へっつい」の語源には、古語の「へつひ(竈)」に由来するという説があります。
「へ」はかまど、「つ」は「の」を意味する古い格助詞、「ひ」は霊威を表す言葉とされます。もともとはかまどを守る神、つまり竈神を指し、やがてかまどそのものも意味するようになったと考えられています。

こちらは井戸のようですね。

昔使われていた団扇のようです。島泉が「嶋泉村」だったころのもの。

ということで重要文化財の吉村家住宅の無料公開の様子をご紹介しました。途中でも書きましたが、次は2026年11月14日と11月15日に秋の一般公開があるそうです。

なお、吉村家住宅の他、松村家旧宅と畑田家住宅にも行きましたが、長くなりましたので後日別記事でご紹介します。

重要文化財 吉村家住宅
住所:大阪府羽曳野市島泉5丁目3番5号
アクセス:近鉄南大阪線 高鷲駅から徒歩約15分
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この記事を書いた人
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大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。
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