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特定のテーマや世界観に基づいて内装、衣装、メニュー、接客などを統一した飲食店「コンセプトカフェ」というのがありますね。例えば地域の歴史をテーマにした飲食店などもコンセプトカフェのひとつと言えるのではないでしょうか?
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しかし、藤井寺市の道明寺駅の近くには、そんな「コンセプト」という「うわべ」だけではなく本当に歴史上に存在した大きな事件に関与している一族の末裔が経営しているお店があるという情報をキャッチしました。
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南河内地域の歴史と言えば最初に思い浮かぶのが楠木正成や南北朝時代、次に思い浮かぶのは幕末の維新の先駆けと言われた天誅組の乱ではないでしょうか?

今回は天誅組の乱に参加した天誅組隊士ゆかりの家系の方が営むお店です。店の名前は食堂佐市と言います。
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営業時間は4時間だけで、この時間帯に佐市ランチが食べられます。また持ち帰りのお弁当もしています。

こちらが店内です。テーブルとイスはおしゃれなカフェ風ですが、画像の上にこの店だからこその装飾がありました。
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ビックリです!上に火縄銃と槍が掲げられています。模造(レプリカ)のようですが、そんなものが店内にあるというだけで驚きますね。
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さらに槍の下に絵巻物があります。

これは天誅組が富田林市甲田にある水郡邸から大和五條に向けて出陣した時の様子を絵巻物にしたもので、つい最近(2024年)に描かれたものです。
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そして、こちらに和田佐市という人物が行列の先頭にいます。和田佐市は天誅組(天忠組とも)河内勢のリーダーだった水郡善之祐(にごりぜんのすけ)の従者で、天誅組伍長として参戦し32歳で戦死します。
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そして和田佐市の碑が錦織神社の境内にあり、天忠組の生き残り、善之祐の子、水郡長義(英太郎)によって建立されています。

壁に説明があります。食堂佐市のオーナーさんは、歴史上の人物、和田佐市を高祖父とする家伝を受け継いでいるそうです。
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さらに、天誅組河内勢をテーマに小説を執筆されたものがお店で販売されています。天誅組(特に河内勢)への思いが半端なく強いですね。
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これは「桜井の別れ」でしょうか?楠木正成と正行の親子のように見えます。天誅組だけでなく南北朝時代も含め、南河内地域の郷土の歴史にこだわりのある方というのがわかりますね。

途中まで郷土の歴史の話になってしまいましたが、本題はお店の紹介です。地元農家の野菜を使ったランチを提供しているとのこと。ランチはいずれも1,300円で、エビフライ、煮込みハンバーグ、減塩の優しい塩サバ、トンカツからメイン料理を選べます。
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さらに調べると佐市さんはかつて「片っ端から喫茶店」(外部リンク)というYoutube番組にも出演されたことがあり、カフェメニューも充実しています。

日替わりのスイーツもあります。しかし、ちょうどお昼時だったのでランチを頂くことにしました。
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ランチが来ました、竹ざるの上にメインと4つの小鉢が載っています。こちらはエビフライです。

もうひとつは煮込みハンバーグです。

エビフライです。大きなエビが2匹入っています。食べ応えがばっちりです。揚げたてフライのパリパリ感とエビの身のプリプリ感という食感の違いを楽しみながら、上にかかっているソースの味によって素材の旨味を引き出していて、とても美味しくいただきました。
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共通の小鉢類を見ていきましょう。筍を煮たものです。

これはキュウリと海藻類の酢の物。
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青菜のおひたしです。

小さなうどんが入っています。ちょこっと麺があるのはけっこう嬉しいですね。

竹ざるのおかずと一緒に、ご飯とみそ汁が運ばれてきました。
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ということで、いずれも美味しくいただき気が付いたら、このように完食をしてしまいました。
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とても美味しかったのでオーナーの和田さんにお話を伺いました。

Q1.藤井寺市や道明寺との関係は?
A1. 子供の頃から道明寺天満宮にお参りしてたこともあり馴染みがありました。周りの方々が親切に接してくれる印象です。
道明寺天満宮がすぐ近くにあるので、私も食後に立ち寄りました。
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Q2.店をやる前のお仕事の内容は?
A2. 元々は秘書の仕事でしたが、飲食店業に転身しました。羽曳野でクレープカフェを3年していましたが、コロナを機に道明寺に移って食堂「佐市」を始めたのです。
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コロナ禍がきっかけとのこと。いろんな人にインタビューをすると、本当にコロナ禍はいろんな人の人生に大きな影響を与えたということがわかります。

Q3.なぜこの場所を選んだのでしょうか?
A3. 前提として南大阪で探していました。そして店舗を見に来たとき、大家さんがとても良い人だったのが決め手です。
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物件との出会いって本当に大事なこと。おそらくこの地に呼ばれたのかもしれませんね。

Q4.お店を作られた上でのこだわりはありますか?
A4. 友達と2人でDIYしました。昭和の雰囲気を壊さず、建具もなるべく使えるように古道具を使っています。
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なるほど、それで古民家というか歴史ある空間になっているわけですね。

Q5. まず味わってほしいものは何ですか?
A5. 家庭料理であること、野菜は私の地元、富田林の農家さんのお野菜を使っています。
天誅組河内勢に関する記録の多くは富田林市内です。藤井寺にありながら富田林とのゆかりが深い訳ですね。近鉄に乗って道明寺駅からなら喜志駅まで2駅、富田林駅まで3駅と本当に近いです。
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Q6.内装でいちばんこだわったポイントはありますか?
A6. 店名「佐市」は私の高祖父(天誅組河内勢)の和田佐市から命名しました。天誅組に興味を持ってくださる方が少しでも増えたらいいと思い、当時使用した銃や槍(レプリカ)の展示、歴史を感じる道具にこだわっています。
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他のお店ではできないポイントですね。ただ「天誅組の乱」という歴史を利用するのではなく、そこにはリスペクトのようなものを感じるので天誅組ファンや歴史を知りたい人にもっと広まって欲しいと思いました。

Q7.これからお店を続けていく上で、いちばんやりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
A7.「美味しかったよ!」とお声掛けくださったり、何度もご来店くださるのはお料理をする上で励みになり、やりがいを感じます。
「天誅組の乱」がコンセプトのお店ですが、やはり飲食店というのは料理が美味しいかどうかがポイントなのでお客さんからの「美味しい」という言葉は励みになりますね。
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Q8.この場所はどのような場所でありたいですか?
A8. 皆さんの落ち着ける場所のひとつになっていたり、またお客様同志の新しい出会いや繋がる場所になっていれば嬉しいです
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天誅組の乱という大きなコンセプトがあるので、多くの人に知られたら歴史に思いを馳せる人が増えそうです。

Q9.これからの夢を教えてください
A9.世界中からお客様が来て、ただその時だけではなく、その後も友達として続くような、皆さんのまた来たい場所作りが夢です
和田さんはインバウンド対策も行っておられ、英語とイタリア語の勉強をしています。「国際交流が店でできたら」という思い、そして日本の幕末史に興味のある訪日外国人が来るようになったら素敵ですね。
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Q10.総菜宅配のようなことをされているようですが、
A10. 惣菜宅配ではなく、家政婦業務としてのお料理代行です。三日分の料理を一気にお届けします。お客様からお声かけいただき始めました。
お料理代行のお仕事をされているとのこと。これからは高齢者が増えていくだけでなく、共働きで忙しい人が多いので、ますます需要のある仕事のような気がしました。実際にInstagramでの料理写真を見ると、家庭的なのに少し手の込んでいる料理ばかりで、家事代行をしてもらっている人が羨ましくなります。
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Q11. 天誅組のことや和田佐市さんについてコメントがあれば
A11. 天誅組、特に河内勢についてもっと身近で、温かい人たちだったということ。かつて南河内にそんな人たちがいたということを知ってもらいたいです。天誅組の子孫の中でも天誅組を理解してる世代が少なくなってきてるので、若い世代に繋ぎたいです。本の執筆もしてくれる方もいて、今回小説本ができたので、多くの人に買って読んで欲しいです。
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天誅組については私も南河内地域に引っ越しをしてからその名前を知るようになりました。幕末の先駆けとして地域ではその伝承や名残が残っているものの、楠木正成と比べると知名度がやや低い感じがしています。
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そういう意味ではお店や新しくできた本を通じて、多くの人に天誅組や河内勢のことを知ってもらえる機会になればと感じました。

ということで、こちらの本が2000円で販売していたので買わせていただきました。天誅組を取り上げた小説の多くは、どうしても主将の中山忠光や土佐藩の吉村虎太郎や那須信吾のほうがメインになりがちです。
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しかし、これは「河内の誇り」ということで、あえて水郡善之祐を中心とした河内勢をメインにとらえている作品です。これはとても珍しいので、郷土の歴史に興味のある方は手にしてみてはいかがでしょう。

最後に和田さんは「お客様というより、友だちとしての繋がりを大事にしてるので、スレッド(Threads)の方も興味があれば見てください」と締めくくられました。
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6月28日にはすばるホールで下水分社にわか連・喜楽座による第4回喜楽座公演「明治維新のさきがけ 若き志士たちの天忠組」が行われます。地域の伝統芸能である河内俄(にわか)で、地域の歴史を演じるという非常に興味深い内容。これもとても気になりますね。
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ということで、食堂佐市さんを取り上げました。楠木正成と比べて知名度が少し低いけど、地域の人にとっては語り継がれてきた天誅組のこと。
私はこれまで天誅組隊士の墓などを見て回りましたが、飲食店でその歴史を感じる空間があるのはとても素晴らしいです。興味のある方はぜひ道明寺まで足を運んでみてはいかがでしょう。

食堂佐市
大阪府藤井寺市道明寺2丁目9-20
営業時間:11:00~14:00
定休日:日・祝・月
アクセス:近鉄道明寺駅から徒歩2分
instagram
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この記事を書いた人
奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。
登録いただいた方には、少し踏み込んだ情報もお届けします。 通常の記事に加えて、登録者限定の裏話も配信! ここだけの話も、そっとお届けします。



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