大人には懐かしく、子どもには新鮮なものは昭和レトロ的なものを中心にいくつかあると思いますが、駄菓子もそのうちのひとつではないでしょうか?駄菓子屋さんは、子どもたちがお小遣いを握りしめて買いに行くお店です。

そんな駄菓子屋さんが河内長野市にもあります。錦町にある駄菓子やほうかごさんは、2019(令和元)年6月17日に開業したので、今年で7年半が経過しています。

駄菓子やほうかごさんは、駄菓子の販売のほか、ゲームも無料で楽しめます。今人気なのはマインクラフトとのこと。
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(左は店長の田仲訓さん、右は代店長で店長のお父さん)
ということで、今回は駄菓子やほうかごさんの店長の田仲さんを中心に、代店長さんも交えてお話を伺いました。
PCを作る才能がありながらも難病に苦しむ半生

田仲店長さんのお話では28年前、当時はWindws98が発売された頃だったのですが、18歳の時からPC作りを始めました。1日17台、月300台ほどPCを作って納品していました。当時は就職氷河期と重なってしまい、正社員ではなく契約社員として仕事をしていたそうです。
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※Windowsのデスクトップ型PC(DOS/V機)は、部品をそろえれば自作できます。

19歳の時に契約が終わりましたが、それからはなかなか良い仕事に恵まれなかったとのこと。さらに追い打ちをかけるように、20歳のころから歩行困難に陥ってしまいました。検査した結果、ふたつの国指定の難病だとわかりました。
① 後縦靱帯骨化症(国指定難病69)
背骨の中を縦に走る「後縦靱帯」が骨のように硬くなり、神経の通り道である脊柱管が狭くなることで、脊髄や神経が圧迫される病気です。
② 黄色靱帯骨化症(国指定難病68)
背骨の後ろ側にある「黄色靱帯」が骨のように硬くなり、脊柱管内の脊髄や神経を圧迫することで、足のしびれや歩行障害などを引き起こす病気です。
記事のメインである「約100種類の駄菓子」にちなみ、大人買いやイベント気分を自宅で楽しめる懐かしの駄菓子ボックス。
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いずれも脊柱管内の脊髄や神経を圧迫し、しびれや歩行障害などを引き起こす難病で明確な原因不明の疾患です。店長は結果的にしびれが残ったため、身体障害者になってしまったのです。
手術やリハビリをしても完治しない病気を抱えながら仕事を探すも、いくらPC作りの経験者とはいえ仕事が見つからないまま40歳手前となってしまったそうです。
楽しかった思い出のある駄菓子屋さんを河内長野で復活

どうしたものかと悩んでいた矢先、家のすぐ近くにあったお店が空き店舗になりました。それを見た店長さんは「空き物件で何かできないか」と考えた時にあることに気づきました。
それは、自分が子どもの時に普通にあったもの、駄菓子屋さんが河内長野でなくなっていたことだったのです。店長さん自身も子どもの時には、歩いて行ける範囲に数軒あって、その駄菓子屋さんに通って楽しかった思い出がありました。
「それなら通勤で時間を要することもなく、身体的にもできそう。だったら駄菓子屋をやろう」となり、駄菓子やほうかごさんの開業につながりました。ちなみに駄菓子については大阪市松屋町で仕入れているそうです。

とはいえ、オープン後の翌年にコロナ禍になったことに加え、そもそも今の子どもたちは駄菓子屋という存在を知らないという事実。そのようなこともあり、お店の存在が子どもたちに知られるようになるまで3、4年もかかったそうです。
店舗で子どもたちに一番人気として紹介されている、無料ゲームとして置かれているゲームソフト。
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最初に「ここ何の店や!」というところから始まり、口コミで広がっていきました。とはいえまだまだ知らない子も多いとのこと。
店長さんによれば「7年半続けていることもあり、最初に来た子は中学生以上になりました。駄菓子屋ほうかごとしては高校3年生までを対象にしていますが、中学生や高校生となると別の場所で遊ぶようになるので、中心は小学生です」。
ビジネスとしては儲からないけど、子どもの居場所としてはとても大切

「駄菓子屋はもうからない」という店長さん。確かに駄菓子そのものは以前よりは物価高で値上がりしてはいますが、20円や30円の物が中心のためひとつあたりの利益が知られているのは事実です。お小遣いが限られた子ども相手の商売なので仕方がない面があります。
とはいえ、むしろ商売以上の価値があると言えます。それは「子どもの居場所」としての価値です。店長さん自身が子ども時代に楽しい思い出のある駄菓子屋空間ということ、PCの専門家だったことで、駄菓子に加えて無料で遊べるゲームを数台設置しました。

そして、お店は角地にあるため、外が2方向で見渡せます。これは店が目立つということもありますが、それ以上に突然のアクシデントにあった人を助ける場所としての役割があることが後にわかりました。
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店長のパソコン技術や、お店が持つ昭和レトロな空間の雰囲気にぴったりなガジェット・インテリアアイテム。
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一例をあげると、高齢の方が揺れるように歩いていたので、気になって店を出て声を掛けたら熱中症になりかけていたり、中村公園で子どもがケガをしたときは仲間の子どもが助けてあげてと店に飛び込んできたり。そんな時は応急処置をして一時的に預かるということもしているそうです。

そういう経緯もあり、熱中症の人に休憩してほしいということで 河内長野市のクーリングシェルターにも指定されました。クーリングシェルター自体、一般的に公民館や郵便局などの公共施設や協力民間施設が多いのですが、駄菓子やほうかごさんは例外的に個人店での指定となりました。
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そういう風に困っている人に対してはできる限りの対処をしている駄菓子やほうかごさんですが、ルールを守らない子どもには厳しい措置を取ることもあり、出禁ルールが設けられています。 具体的には、大声を出したり汚い言葉を使ったり、人の嫌がることをすることなど。
子どもたちの間でも「お互い出禁にされないように注意せなあかん」ということとなり、マナーを守る勉強の場にもなっています。

その他にも、ゲームを待ってる子がいれば30分で交代する、いない場合でも1時間すると15分休憩などといったルールがあります。
そして過去に2回ほどあったそうですが、 PCゲームのことで子どもたちが揉めると全てのゲームの電源を切る、状況によっては営業時間中でも子どもたちを店外に出し、店を閉めるという厳しい措置を取ることも。ただ「居場所」だから優しいというわけではなく、あくまで秩序、社会常識といったルールを守ることも、ここで教えているわけですね。

これまで7年半続けてきた実績があることもあって、河内長野市内の駄菓子屋さんとしての存在が大きいのは確かで、これまで駅前長野商店街の「かわちらぼ」や美加の台での「子ども店長活動」、楠小学校区の「あきち」など、同様に子どもの居場所、駄菓子屋活動をしている方々が駄菓子やほうかごさんに訪問して相談にも来たそうです。

駄菓子やほうかごさんとしての将来の目標についても聞いてみました。それは特に決めているわけではないものの、子どもたちが気軽に来れる場所であり続けたいと考えているそうです。
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ちなみに店長さんは、元の経験を生かしたPCの修理や設置の仕事を今も受けています。ただ田仲店長の考えで相場よりとても安く(相談500円、出張費1000円から)設定しているため、逆に「本当に大丈夫なのか」と最初は疑われることもあるそうです。
とはいえ、PCに関してはプロとしての実力派であるのは事実。いちど相談すればしっかり対応してくれるとわかってもらえ、リピーターさんとなるとのこと。代店長さんは料金を世間並みの相場にしたらと思っているそうですが、店長さんは「この料金で構わない」との強い思いがあるそうです。
この日来ていたキッチンカー

さて、取材日のこの日は駄菓子やほうかごさんにキッチンカーが来る日でした。代店長さんによると少しだけ離れた駐車場にキッチンカーが来ているということで、その場所まで案内してくださいました。

これは何か新しいことに挑戦したいと考えたことで、キッチンマルシェ協会の小倉さんに相談したところ快く受けて頂き、2026年7月1日以降、これまで5回ほどキッチンカーが来ています。

この日は悠々自適さんでした。子ども達にも大好評の揚げパンやチュロスをはじめ、シフォンケーキやドリップコーヒーの販売もされています。

悠々自適さんのキッチンカーが来るということで、高学年の子どもたちがグループで自転車に乗って来ている姿も見かけました。

せっかくなのでアイスコーヒーを買いました。持ち帰り用に揚げパンも買っています。
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記事のメインである「約100種類の駄菓子」にちなみ、大人買いやイベント気分を自宅で楽しめる懐かしの駄菓子ボックス。
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悠々自適さんは、ドリンクやフード、スィーツまで、とにかくメニューの種類が多いです。テイクアウトだけでなく、駄菓子やほうかごさんの店内でも食べられるそうです。イベントと違い普段使いができるキッチンカーと駄菓子屋さんとの融合も、楽しい試みですね。

さらに夕方になっていたので、お弁当のおかずも。持ち帰って夕ご飯で食べたのですが、野菜おかずの種類が多く、しかもすべて手作りとわかる優しい味わいのおかずばかり。肉系も鶏肉や豚肉もたっぷり入っていて、満足以上のお味でした。

せっかくなので私も駄菓子を購入しました。駄菓子やほうかごさんは、100種類以上の駄菓子が並んでおり、どれも懐かしかったり美味しそうであったり。迷いに迷って選んだのは画像のお菓子たち。これだけの量で260円だったことにも驚きました。子どもたちだけでなく、大人にとってもパラダイスですよね。

ということで駄菓子やほうかごさんをご紹介しました。子どもが気軽に買える駄菓子があるだけでなく、ゲームを楽しめたり、ルールを学べることも含めて、居場所として地域の大きな存在です。錦町にとって、いや河内長野にとっても、とても大事な場所であることは間違いないと感じました。

駄菓子屋ほうかご
住所:大阪府河内長野市錦町10-1
アクセス:錦町バス停下車、南海・近鉄河内長野駅から徒歩10分
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この記事を書いた人
奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。
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