“探す”から“届く”へ 開かなくても、ちゃんと毎日届く安心感。気づけば届いている、あなた専用の情報便、the Letter
香川県ほどではないにせよ、きつねうどんの発祥の地があるためか、大阪のめん類といえば、そばよりもうどん、またラーメンのほうが知名度が高い印象があります。しかし、私の住む南河内地域は、うどんよりそばの名店の方が多い気がします。

(蕎麦博さんのそば)
私も南河内地域に住んでからはうどんの店よりもそばの店に行く機会が多く、河内長野の野の麺坊万作さんや手打そば半田家さん、富田林のうら田さんや麺坊七福さん、河南町のそば工房けんぞうさん等が思いつきます。
|
|
|
しかし、忘れていけないのが、河内長野貴望ヶ丘にある麺坊蕎麦博さんではないでしょうか?

(フルーツベジタブルラリーの時に限定で登場したそば団子)
蕎麦博さんについては人気店でかつ知名度が高すぎたので、取材者としてはなかなかご縁がありませんでした。
ただ一度、河内長野商工会が毎年秋に行っている「奥河内フルーツ&ベジタブル」のときに、映画「鬼ガール!!」で登場したそば団子を限定復活するということで食べに行ったことがあります。もちろんいっしょに通常のおそばも美味しくいただきました。
「PR」 |

お店のすぐ近くにあるのが七望流蕎麦道場です。蕎麦博さんの最初のお店だったところが現在そば道場になっていて、その気になったらそば打ちにチャレンジできる場所です。
|
|
|
入会金の5,000円と毎月の会費を払えばそば打ちの練習ができるので、そばを打ってみたいと思う人にとっては願ってもない場所ですね。

七望流蕎麦道場蕎麦博の店主望月興博さんが道長を務める道場で、チラシによれば甲州・赤沢の秋祭りで絵馳走を振舞う七軒の頭屋のひとつの望月家の方です。
望月家に代々伝わるそば打ちの流儀を「七望流」として、多くの人にそば打ちの指導をしています。
また望月さんは2022年に叙勲(旭日単光章)を受賞(外部リンク)されるなど、そば界ではとても権威のある方です。そんな方が河内長野市内で人気のそば店を経営しているのも本当に驚きですね。なお道場は原則会員制ですが、ビジターとして体験入門もあるとのこと。
「PR」 |
七望流蕎麦道場の方から全日本素人そば打ち名人大会予選会があると聞いて

大阪全体を見るとどうしてもうどんやラーメンのほうがインパクトが大きいですが、河内長野を含めた南河内地域ではそばの美味しい店だけではなく、いつでも参加できるそば道場までありますから、実は「そば処」でもあるんだと改めて感じます。
|
|
|
そればかりか、全日本素人そば打ち名人大会の関西予選会も河内長野で行われます。

七望流蕎麦道場の方から予選会が行われるということを伺いましたので、先日の日曜日、会場のラブリーホールに取材に行ってきました。

(蕎麦博さんのそば湯)
全日本素人そば打ち名人大会を前に、まずそばについて簡単に歴史見てみましょう。そばを食べる文化は奈良時代以前から日本にありました。
「PR」 |
当初はめん類としてではなく「そば粥」や「そばがき」として食べられていたそうです。江戸時代に「そば切」として麺類のそばが登場します。しかし、長い間は師匠の元で修業と積んだプロのそば打ち職人のためのものでした。
|
|
|

一般の素人が趣味でそばを打って食べ始めるのは昭和の戦後に入ってからです。1972(昭和47)年に日本そば大学講座が誕生し、一般の人が手打ちの技術を学べる機会が訪れます。しかし、定期的に開催されるものの、あくまでイベントのひとつでした。


(28名の出場者)
1985(昭和60)年1月に全国で初めて一般素人を対象として常設の場として「越前そば道場」が福井県福井市に設立されました。

(審査委員長は七望流蕎麦道場の道主で、蕎麦博店長の望月さん)
福井県も戦国大名・朝倉孝景が一乗谷で籠城用の非常食としてそばの栽培を奨励したことからの歴史あるそばの名所ですが、蕎麦の名所は全国にあります。しかし、常設のそば道場を開いたのは全国で初めてだったのです。つまり福井は「そば道場発祥の地」です。
「PR」 |

その流れで1996(平成8)年に全日本素人そば打ち名人大会がスタートしました。福井県産のそばを広くPRする目的で発足したものですが、本選に出るために全国に予選会場が用意されます。そのなかのひとつが河内長野で行われます。

この日の予選会は7人ずつ4回行われます。出場者を見ると地元河内長野の七望流蕎麦道場の方をはじめ、以下のように様々な地域から集まっていました。
|
|
|
- 植田塾そば打ち倶楽部
- そばヨガの会
- 熊野古道そばネット
- 布施そば道場
- ニコニコそば打ち同好会
- 淡海そば打ち倶楽部
- 豊平手打ちそば保存会
- 六甲益田屋そば打ちの会
- 讃岐蕎麦道場
- そば塾すゞが
- 関西上砂川手打ちそば愛好会
- まるおか蕎麦愛好会
- 立山そば倶楽部
- 西宮そば打ち同好会
- 永沢寺そば打ち愛好会
- ふくいそば打ち愛好会
|
「PR」 |
天見の奥にそば畑があり、フェスでそばを振舞う
|
|
|

(立ち上がって選手への質問に答えている望月審査委員長)
河内長野には美味しいそばの提供に加え、そば道場を開いて多くの人にそばを指導する場所があります。それに加え全国のそば打ち名人大会の予選会場をラブリーホールにするなど、そばとのか変わりがとても深いのですが、もうひとつ忘れていけないのは市内にそば畑があることです。
「PR」 |

南海天見駅の奥、島の谷には七望流蕎麦道場が所有するそば畑があります。

(そばの花)
蕎麦の花が咲いているときにお邪魔しました。
|
|
|

そしてそば畑で採れたそばを、毎年秋に行われている天見にぎわいフェスで頂きました。

七望流蕎麦道場の人達がそばを振舞ってくださいました。お揃いの黄色い服装をしています。
「PR」 |

予選会当日も天見の時と同じ黄色い服装をされている方がスタッフとして、会場の準備や掃除などをしていました。道場の人達の協力があって実現できているんだと感じました。
|
|
|
始まる前に蕎麦打ちの道具を撮影しました。

予選会が始まると近づけないので、その前に手打ちそばの道具を撮影させていただきました。そば職人やそば道場に通っている人にとっては当たり前の道具ですが、まったく知らない人のために詳しく見ていきましょう。
「PR」 |

そば打ちに欠かせないのが麺棒です。そばを伸ばすのに欠かせませんね。

これは「そば粉(多いほう)」と「つなぎ粉」のようです。全日本素人そば打ち名人大会は二八そばを打つ大会です。
|
|
|

そばを捏ねるための「こね鉢」です。表面が滑らかで、生地がくっつきにくいよう、うるし塗りなどが施されているそうです。真ん中のふるいは粉のダマをなくして空気を含ませるために使います。そして下には練る時に鉢が動かないようにするための滑り止めが見えます。
「PR」 |

出来上がった蕎麦を入れる「もろぶた(諸蓋) 」の中に道具が入っています。まず独特な形をしているのがそば切り包丁で大きなL字型をしています。 包丁の隣にあるのがこま板(駒板)で包丁を当てて切る定規のような役割をするそうです。
あと 右側の丸い木枠が粉ふるい金属製のふるいより目が細かく、麺がくっつかないように振る打ち粉を均一にまくために使うそうです。その他には刷毛(はけ)とスクレーパーがあり、台に散った粉を掃除したりこね鉢についた生地をきれいに取り除きます。
緊迫した中で行われた予選会

ここからは実際の予選会の様子を撮影しました。午後に別の取材があったので、午前中の2回分だけですが、両方の様子を織り交ぜながらどのように行われたのかを追いかけていきましょう。始まる直前は審査員が前に立ち、そこで一礼するところからスタートします。
「PR」 |

最初に審査員に手を見せています。直接食材であるそばに触れることから「衛生管理」と「安全確保」を確認しています。
|
|
|

いよいよスタートしました。

最初に手洗いと消毒をしています。
「PR」 |

次に粉をこね鉢に入れていきます。

地元河内長野の方です。今回の予選会で、河内長野の人はふたりで、いずれも七望蕎麦道場の方でした。

こね鉢に粉と水が入れられいよいよ捏ねていきます。粉に加えた水を全体に均一に生き渡させる「水回し」と呼ばれる工程です。
蕎麦打ちの世界では、「水回しが8割」と言われ、最も神経を使う工程とのこと。気温や湿度などにも左右されます。つまりいきなり山場からスタートするんですね。
「PR」 |

審査員は常に選手の前に来てチェックをしています。
|
|
|
公式ページによると技能審査では、水回し・こね・延し・切りの4工程と総合評価で各項目について10点を配しており、計50点から減点方式とのこと。

粉にしっかりと粘りと弾力を与え、生地の中の空気を抜いて食感を滑らかにする「こね(捏ね)」の工程でこね鉢で捏ねていくわけです。
このあたりで、早い人とちょっとゆっくり目の人と個人差が現れる段階です。

こちらの審査員は第21代名人の岸本直子さんです。つまり今そばを打っている選手が目指している名人になった人ですね。

捏ね終えて「そば玉」と呼ばれるボール状になっています。
「PR」 |
そばの打ち方のサイトを見ると、皺が一箇所に集まる「菊練」やラッキョウ形にすぼめて皺をなくす「へそだし」と呼ばれる段階もあったようなのですが、遠くからでは確認できませんでした。

審査員に見せてチェックしてもらっています。

ボール状になったものをつぶしてビニールに包んでいます。調べると生地の乾燥を防ぐために空気に触れさせないようにして、少し熟成(ねかせる)工程とのこと。

つぎはいよいよボール状のそば玉を延ばしていきます。
|
|
|

審査員は巡回しながらチェックしていますが、時には画像のように複数人いて集まっているシーンも何度か見ました。
「PR」 |

調べると「地延し」とよばれる工程です。板の上に少量の打ち粉を振り、そば玉を手のひらで押し広げるように延ばしています。

手で延ばした後はいよいよ麺棒が登場します。

麺坊で生地を伸ばしていきます。そば打ちのイメージの部分ですね。
「PR」 |

中にはカーボンの麺棒の人がいました。これは木と比べて軽くて量産でそばを打つ時に重宝するものということで、プロの人も使っていました。カーボン麺棒は高いらしいので、前半の14人でカーボンの人はひとりだけだったように記憶します。

麺棒であっという間に伸びています。ボールから紙のようになりました。
|
|
|

紙状になった生地を折り曲げていよいよ切る工程です。

切るのも最初から最後まで生地を一気に切るのではなく、1食分切り終えるといったんまとめます。なお、この大会では認められていませんが、半自動送りそば切り包丁という自動的に刃が一定の幅ずつ横にスライド・前進する補助道具もあるそうです。
「PR」 |

1食分ごとに両手に持って麺についた打ち粉を払っています。

そしてすべてのそばを切り終えると後片付けです。最後の後片付けも時間内に行わないといけないルールです。
「PR」 |

粉を払って道具をふき取るまでをしっかりやってようやく終わりです。次の人が快適に使えることも考えられているんですね。

すでに終わっている人の横でまだ後片付けをしている人を見ます。このあたりになると残りがわずかになり、見ている方が「間に合ってほしい」とはらはらしました。
|
|
|

時間内に全員が終わって待機の状態になりました。私が今回見た前半の2回分で時間切れの人はいませんでした。
「PR」 |

無事に終わると、次の準備に入ります。黄色い服を着た七望蕎麦道場の人達が後片付けと次の準備を行います。

そして、作り終えた蕎麦を一カ所に並べます。

それを他の選手の皆さんが見つめています。他者の作品を見て自分の作品に活かせようという「そば道」の奥深さを感じた瞬間です。

私も確認させていただきました。私のような食べる専門の初心者以前の立場から見たらどれも同じような「手打ちそば」にしか見えませんが、ある程度そば打ちの心得がある人が見ると違いが解るのでしょうか
|
|
|

ひとつ拡大しました。水回し・こね・延し・切りという段階を得た、そば粉が機械で測ったように麵状になっていて、そのままお店で出してもまったく違和感ないレベルの高さです。
「PR」 |

ちなみに予選会ではそばを切るまでの技能審査までで、実際にそばとして食べる「食味審査」は福井本選のみで、かつ技能審査の上位6名だけが対象です。
自分が打ったそばを食べてもらうためには、予選を突破するだけでなく本選の最終6人に選ばれなければならない。そう考えてもすごくレベルが高い大会なんだなと感じました。
|
|
|
予選を突破し本選に進めた人は?

さて、午後の取材を行いながら途中、再び会場を見に行きました。
「PR」 |

残念ながら表彰式には間に合いませんでした。予定よりもかなり早く進行したようです。最後の講評とあいさつの段階でした。やむなく主催者の方に伺ったところ、次の方が予選を突破して本選に進みました。

15番 石塚みなみさん(植田塾そば打ち倶楽部)
18番 坂本進さん(まるおか蕎麦愛好会)
22番 菊池賢太郎(植田塾そば打ち倶楽部)
「PR」 |
残念ながら河内長野の人や七望蕎麦道場の人は含まれていませんでした。その代わり、植田塾そば打ち倶楽部の人が2人も本選に進まれたとのこと。植田塾さんレベル高いんですね。

ちなみに本選は、10月25日に福井市で行われます。そしてすでに来年の日程も決まっていて6月13日を予定しているとのこと。
|
|
|

今からスタートではさすがにレベルが高すぎて難しいかもしれませんが、手打ちそばの頂点を目指したいと考えている方はいつかチャレンジしてみてはいかがでしょう。

なお、全日本素人そば打ち名人大会の本選が行われる日は「ふくいそば博」が行われます。福井市にぎわい交流施設1階「ハピテラス」が会場で、県内外のそば店が集結し、定番の越前おろしそばをはじめ、日本各地のそばが味わえます。
」
「PR」 |

そば粉を使ったスイーツなども販売するとのこと。興味のある方は福井に行って本選を楽しんだり、イベントに参加して福井のそばを味わってみてはいかがでしょう。
|
|
|
この記事を書いた人
奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。
登録いただいた方には、少し踏み込んだ情報もお届けします。 通常の記事に加えて、登録者限定の裏話も配信! ここだけの話も、そっとお届けします。

![[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。] [商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/4d14c3ec.9dd5c8dc.4d14c3ed.c0e1a1aa/?me_id=1359071&item_id=10000708&pc=https%3A%2F%2Fimage.rakuten.co.jp%2Ff272167-kawachinagano%2Fcabinet%2F11737768%2F67caa6df1311e0169501.jpg%3F_ex%3D240x240&s=240x240&t=picttext)


コメント