ミュージアムは個人的に好きな施設で、時間があれば各地のミュージアムで観賞するようにしています。

東住吉区にある大阪市立自然史博物館では、11月1日から2月1日まで「学芸員のおしごと」という特別展が開催されています。
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自然史博物館との接点は、鳥の巣の研究家でコレクターでもあった河内長野市在住の小海途銀次郎(こがいとぎんじろう)さんです。
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広報かわちながの2022年6月号にて紹介された小海途さん、自宅に数多くあった様々な鳥の巣を自然史博物館に寄贈したという情報を知りました
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そして小海途さんのコレクションの特別展が行われ、取材させていただいたことがあります。「日本一の鳥の巣コレクターは河内長野の小海途さん」というタイトルで2022年6月に記事にしました。

そのことがご縁で、自然史博物館から今回のご案内が届きました。とても興味があったので、プレスの内覧会に申し込んでみることにしました。

ということで公開の1日前の内覧会に参加しましたので、どのような展示がなされているのか紹介しましょう。
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最初に、会議室で館長からの挨拶と簡単な概要についてのレクチャーを受けました。自然史博物館の学芸員は現在16人いるとのこと。そしてこれまでは特定の生き物や地域をテーマにした特別展を行ったことはあるものの、博物館の活動そのものをテーマにしたのは初めてとのこと。
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次に特別展の担当である中条学芸員からの説明がありました。一通りの説明が行われた後、じっくりと見学しました。
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第1章 学芸員のおしごと

まずは自然史博物館の学芸員の仕事の概要についての紹介です。
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- 博物館で標本を「集め」
- 生き物や化石を「調べ」
- 展示や観察会で「伝える」

第1章はあくまで概要なので、大まかな仕事についてのパネル展示だけでした。
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第2章 まずは集めよう

第2章は、調べて展示する標本の収集について紹介しています。

化石などの標本が並んでいます。

一見岩に見えるものも、よく見ると二枚貝が張り付いているのがわかります。
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蝶などの昆虫の標本のように、乾燥するとよくない標本はアルコールに浸けて保存する液浸処理が行われます。またキノコは逆に、フリーズドライにするとのこと。
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標本を集める理由についての説明です。時間、場所という「記録」をしっかりと取ることで確かな証拠につながるといいます。河内長野の寺ヶ池公園でクビアカツヤカミキりの標本作りの場に立ち会いましたが、その際にも記録を取ることで標本の価値が異なるという話がありました。
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液浸処理をした標本です。
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また標本以外にも様々な文献も集めるそうです。

野外で標本となるものを採取する方法の紹介もありました。
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多彩な道具を使うことがわかります。
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テントのようなものを使って採取する場合もあるようです。

さて、このようなものを発見しました。何に使うのでしょう?

これは粘着マットということで、目的は収蔵庫に入る前に靴底のごみや埃を取り除くためのものですが、実際に体験できるのは良いですね。
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第3章 新しく博物館に来た標本

学芸員の採取以外にも、一般のコレクターや団体から標本を寄贈されることがあるそうで、2022年以降に寄贈された標本の一部が展示されています。
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こちらは岩石コレクターの方です。紀伊半島の東側で産出される岩石を集めています。
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こちらは、遺跡の剥ぎ取り標本とのこと。

こちらはシダ植物の標本です。

そして魚です。こちらはシイラの標本でポートアイランドで採取されたようです。
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こちらはイシダイです。いつ、どこで、どういうタイミングで収集したのかしっかりと記録に残っています。

こちらは昆虫コレクション。すごく多くの昆虫が収集されています。
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こちらはノトハネナガヨツメハネカクシという名前ですが、実際の大きさは下にあるほうです。
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こういうのがものすごく多く収集してあるのです。細かい違いはその世界の専門家でないとわからない気がします。

もしかしたら小海途さんの鳥の巣が展示していないかなと期待していましたが、鳥そのものの展示がありません。それもそのはずで、次の特別展が決まっていてそれが「鳥」をテーマにしていているからです。おそらくこちらの展示で小海途さんが集めた鳥の巣が出てくるかもしれません。
第4章 標本を守る

次のテーマは標本を「守る」です。害虫やカビから標本を守るための取り組みで、収蔵庫で管理している内容について取り上げられていました。
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実際の博物館の収蔵庫の様子が写真で紹介されています。
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そしてこちらは先ほども見た液浸処理された標本です。

化石などは木の箱に収蔵されています。
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こちらは収集した標本ソーティングしている様子です。ソーティングとは採集された膨大な昆虫のサンプルの中から、目的の標本を取り出したり、種類ごとに分類したりする作業のことで、とても根気がいりそうな気がしました。
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こちらは反対側に粘着マットが置いてあった特別収蔵庫の中の様子を展示してあります。

博物館IPM(総合的有害生物管理)についての説明で、標本を被害から守るための予防に関する紹介です。温度や湿度のデーターを取りながら、標本にとって適切な環境を保つための試みです。
第5章 標本を「調べる」

次は、収集した標本を調べるというテーマです。
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けいはんな記念公園で収集したものが展示されています。

1年間、けいはんな記念公園で昆虫を収集して標本にしたもので、これで関西の都市近郊にいる昆虫が一通りわかるようになったそうです。

これは本当に驚くほどの昆虫の数々です。
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次は海です。大阪湾の磯の生物相を調べるために長期的に調査を行っているとのこと。

大阪湾でも南側三崎町から和歌山県にかけての磯が対象です。
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岬町で採集されたハゼが標本になっていました。
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地域の歴史を知るということで、地層から情報を集めて調べています。

採集した植物化石から植生の様子を調べています。
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これは地層の剥ぎ取りですが、場所は大阪市中央区平野町で、昔は海がそのあたりまで迫っていて、大阪城のあたりが岬だったので、貝類などが出土するそうです。

生き物の体から出て、海や川に漂っている「環境DNA」を解析することで、実際に生息していた生き物が推測できるとのこと。神戸大学のチームが、環境DNAからイカやタコなどの頭足類の種類を特定する手法を開発したそうです。
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大阪と和歌山の境あたりなどにある、和泉層群には多くのアンモナイトの化石が出土しています。

アンモナイトの化石が見えます。しかし、アンモナイトは「目(もく)」の名称です。(人は霊長目)なので、アンモナイトひとつでも広い範囲の名称の象徴で、それぞれに固有の名称がついています。
学芸員の1日

学芸員が1日をどう過ごしているかという紹介です。
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また映像でも紹介されていました。
第6章 みんなに「見せる」

第6章では実際に収集して調べた標本の見せ方についての紹介です。
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見せるための標本とそうではない標本の比較をしています。こちらはウミガメの見せるために組み立てられた標本ですが、
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本来はこちらのようにばらばらで標本として保管されるものということ。理由は組み立ててしまうと死角になる部分が出てしまうために調査に影響が出るからなのだそうです。

上はハヤブサの仲間チョウゲンボウとイタチの仲間テンのはく製で、見せるための展示ですが、下は保存用の標本です。見比べると明らかに違っていて面白いですね。

同じようなものにレプリカがあります。植物の場合、土の中の根の部分を見せるためにレプリカを作ってどういう風になっているかをわかりやすく展示してあります。
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第7章 博物館をとびだして

7章は博物館の外での活動についての紹介です。

1年を通じて本当に多くの行事が行われているのがわかります。

12月から1月にかけても小中学生を対象とした、「やさしいはくぶつかん行事」が予定されています。

そして学芸員だけでなく多くの市民を巻き込んで調べてもいるそうです。確かに多く調べる人がいると、短期間で広いデータも手に入りやすいく、標本も集まりやすいですね。
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学芸員と調べる市民の中心が大阪市立自然史博物館友の会(外部リンク)のメンバーです。
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博物館の近くを流れる大和川水系の魚の生態について調べている(外部リンク)そうで、大和川で魚を釣ってそれを博物館に持っていきます。また標本についてもボランティアのサークル活動で行われているとのこと。大和川ではなく大和川水系なので、河内長野や南河内地域の川も含まれています。

こちらにはヌートリアの分布の変遷などがあります。大阪府内でも急速に増えているのがわかります。

標本をデジタル化してバーチャル表示したものです。
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さらにほかの博物館と共同で貴重な標本を救う活動についての紹介です。

震災を受けた地域の標本を救い出す活動です。震災標本の対処マニュアルを展示しています。

そのほかジュニアの自由研究の展示もありました。

そして子どもワークショップのコーナーです。
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すでに終わったものもありますが、11月15、16日や12月もワークショップが行われます。
第8章 学芸員が伝えたいこと

最後は学芸員が伝えたいこと。まとめとなるコーナーです。

ひとつは、絶滅危惧種などの生き物を絶滅から守るために標本を活用しています。
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もうひとつは次世代に標本を残すための活動です。

ということで、自然史博物館の特別展「学芸員のおしごと」の様子を紹介しました。来年の2月1日までの特別展なので、興味のある方は自然史博物館に訪れてみてはいかがでしょう。
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大阪市立自然史博物館
住所:大阪府大阪市東住吉区長居公園1-23
TEL:06-6697-6221
特別展期間:2026年2月1日まで
開館時間:9:30~16:30(入場は16:00まで)
定休日:月曜日
料金:大人300円、高校生・大学生200円、中学生以下、市内在住65歳以上は無料
※11月15・16日は、関西文化の日で入場無料
アクセス:各線長居駅から徒歩16分、近鉄矢田駅から徒歩25分
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この記事を書いた人
奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような情報を発信しています。



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