河内長野では、明日6日に「Beyond万博inかわちながの」というイベントを行い、駅前を中心にたいへん賑わうのではと思われます。

(河内長野の木のベンチが設置していた万博の休憩所)
しかし、河内長野はこのイベントや先般話題となった花の文化園に移設される2億円トイレ以外でも、万博との深いかかわりがありました。それが、トップ画像のベンチです。現在は市役所にありますが、万博会場の休憩スペースに設置され、多くの入場者に利用していただいたものでした。
「PR」 |

(万博会場で撮影)
これがEXPO2025河内材として万博の会場で設置していたベンチで、おおさか河内材で作られたものです。

(市役所では万博の思い出を付箋で記入して貼れるようになっていました)
おおさか河内材という「ブランド木材」が河内長野にあるのは、市の面積の7割が森林でおおわれており、河内長野が林業が盛んいうことの証でもあるわけです。
|
|
|

その一方で、「岩湧の森 ガバメントクラウドファンディング」(外部リンク)への取り組みなどを行うなど、森林の活用だけでなく保護活動にも積極的です。
「PR」 |

そんな森林資源を活用した環境価値創出に関する4者連結協定の締結式が、先月、11月20日に河内長野市役所で行われました。これは森林分野J-クレジット創出に向けた連携協定で、大阪府では初めてのことです。
|
|
|

提携を結んだ4者は次の通りです。
- クリエイション株式会社(富田林市:林業経営体)
- 住友林業株式会社
- NTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ)
- 河内長野市

さて、連携協定を結んだ「J-クレジット」については、ほとんど知らない方も多いのではないでしょうか?私もこの時に初めて知ったのですが、せっかく河内長野が主体的に他の法人企業と締結を結んだこともあり、それが何なのかとても気になりました。そこで今回はそもそもJ-クレジットとは何か、それを創出することで利益につながることも含めて解説していきたいと思います。
|
|
|
そもそもJ-クレジットとは?利益が出る理由とは

まず初めに、J-クレジットとは何かをご紹介すると、これはカーボンクレジットの一種で、日本政府が主導して行っているものです。J-クレジット制度(外部リンク)の詳細についてはリンク先に記載があるのですが、要するに、森林管理の結果、大気中にあるCO2を吸収した量を「クレジット」として国が認証する制度です。

本来ならCO2を排出する企業が自分たちで排出を抑えて逆にCO2を吸収出来たら良いのですが、どうしてもできない場合、他の企業や団体などで実現した排出削減や吸収した量を「クレジット」という単位で購入することで、実質的に購入分も「排出の抑制、吸収した」とみなされる仕組みです。CO2の排出の抑制、吸収量を1トン=1クレジットとして計算しています。
「PR」 |


(イメージ画像:河内長野市内の山林)
例えるなら、仮に年間50トンのCO2を輩出する企業(A社)があり、B社が行った30クレジット(30トン分のCO2排出を抑制した量)を購入すると、50-30で20トンのCO2を輩出したとみなされ、他社(B社)が行ったCO2排出抑制を自分たち(A社)がやったことにできるわけです。

(イメージ画像:河内長野市内の山林)
つまり、自分の会社で排出抑制できなかった分を他社に外注のように代わりにやってもらって、自社がやったかのように計上することが認められるわけです。それが許される理由として、問題となっている温室効果ガスが「地球全体」の問題なので、A社の代わりにB社で抑制しても、地球全体としては影響が変わらないのです。
|
|
|

(イメージ画像:河内長野市内の山林)
まとめると、国がCO2削減に協力した企業や団体をクレジットの創出者としてクレジット認証を与えます。そして認証を受けたクレジットを購入した企業は、あたかも「自分たちで削減した」とみなされて埋め合わせできるようになっているのです。
「PR」 |

(イメージ画像:河内長野市内の山林)
通常は「使う」=「オフセット(排出量を充当する)」で終わるのですが、会計上はJクレジットを購入すると、「『現金』という資産が『Jクレジット』という権利(資産)に置き換わる」と記載されるため、本来は認証制度だけどJクレジットそのものが資産になるというわけです。

逆に創出した企業・団体は、認証されたJクレジットを売却するので、会計上は「売上」として計上され、「現金」という資産が手元に入ってきます。余談ですが、J-クレジットは原油価格などのように価格が変動しするため、投資対象となっており、株や暗号資産(ビットコインなど)のように個人投資家が購入することも可能です。
|
|
|
4者連携協定で関係する森林価値創造プラットフォーム(森かち)

認証制度ながらも、売買の対象となることで資産となり、さらに相場で価格が上下することから投資商品のような性格を持つJ-クレジットは、創出する能力があれば資産を売却して現金化することにつながります。そしてそれが今回の連携協定に繋がっていくというわけです。
「PR」 |

現在河内長野市内には、大阪府で最大規模の約5,000haの人工林(杉・檜)が広がっています。そして森林経営計画制度のもとで計画的な整備が進めているものの、木材価格が低迷していることもあり、森林を所有している方の関心が薄れているため、管理が行き届いていないという問題が起きているそうです。

そこで、今回の4者連携協定を通じてこの問題を解決しようとなったわけです。Jクレジットを創出することで「資産」となることから、4者が一体となってプロジェクトを推進し、森林所有者への収益還元を目指します。その結果、森林資源などの自然資本を「再価値化」し、最終的に地球の森林全体が持続的に保全されることを目的としています。
|
|
|

具体的には、クリエイション株式会社が複数の個人が所有する河内長野市内の森林のうち800haの森林を対象として、Jークレジットの創出(森林整備)を行います。そして創出されたJ-クレジットを登録申請をして、販売するまでの手続きを行うのが森林価値創造プラットフォーム(森かち)で、これを運営しているのが、住友林業株式会社とNTTドコモビジネス株式会社です。
「PR」 |

(配布資料より)
河内長野市はJ-クレジットの販売で得た収益の一部を寄付として受け取り、受け取った寄付金を元に森林管理に活用するという狙いがあります。

(配布資料より)
今回活用される「森かち」の特徴は、現状ではJ-クレジット創出のための面倒な手続きを簡単にできるようになっており、それが理由で創出手続きに躊躇していた人も登録がやりやすくなっています。
|
|
|

(配布資料より)
またクレジットを認証する審査機関も、現状では大変多くのデータを管理しているため報告などが煩わしく、登録まで時間がかかっています。しかし、それらが簡潔にできるようになるだけでなく、デジタル化したデータをもとに実際の森林の位置情報との紐づけができ、オンラインを通じて容易な審査ができるようになります。
「PR」 |

(配布資料より)
さらに販売においても、現状は申請書類を紹介している画面のみが多く、それをいちいち閲覧しないといけません。しかし、森かちは販売ページを見るだけで分かりやすく解説しているため、「クレジットを通じて森を育んでいる」ことを感じられ、購入の促進につながっています。
「PR」 |

というわけで、河内長野に数多くある森林を活用するために、今回、4者連携協定の締結されたというわけです。

今まで価値が低いと思われていた森林が価値の高いものとして創出され、一連の手続きもわかりやすいプラットフォームで売却までがスムーズになるので、市にとっても、森林を有する人にとっても、かなりすごいことなのです。
|
|
|

(万博会場で設置されていたときの銘板)
さらにまた、その一部が河内長野市に寄付されてそのお金を使って森林管理、脱炭素社会の実現に向けた取り組みができるわけです。

(市役所で設置後の銘板)
この取材を通じて、眺めただけでも癒される河内長野の山々にはまだまだ多くの可能性があることがわかりました。今回の4者連携でその可能性がさらに広がることにつながれば、荒れた森林に価値が生まれることで森林が整備されるわけですから、結果的に住んでいる者にとっても良い結果になるんだと感じました。
「PR」 |

河内長野市役所
住所:大阪府河内長野市原町1-1-1
アクセス:河内長野市役所バス停下車すぐ
|
|
|
この記事を書いた人
奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。



コメント