【河内長野市】知らなかった!七つ辻ど真ん中に家があったとは。福本種苗店は戦後に開業した地元の生き字引

インタビュー記事

自分事になりますが、私たちの「歩いてみました」という散歩記事は、「新鮮だ」と意外に人気があります。背景にはこの地域では車で移動する人が多いので、ゆっくり景色を楽しむことが少ないためかもしれません。

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担当している地域をくまなく歩き回っているようでも初めてという道は結構多く、この前もたまたま中村池公園から歩いたことのない道を歩くと、突然急な坂になっていました。



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坂を登っていくと、その上に福本種苗店がありました。この福本種苗店さんは前からとても気になっていたお店だったのですが、意外な場所にあるのに驚きました。そこで日を改めて、有限会社福本種苗園の福本隆一代表取締役からお話を伺うことにしました。

本町七つ辻のど真ん中に家が

福本さんは最初に、福本家の祖先のお話をしてくださりました。戦後までは、代々、大工さん(宮大工)の家柄で、家系図では江戸中期のころまでさかのぼれたそうです。和泉から高向、そして現在の本町七つ辻に移動してきたとのこと。

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しかし先々代は大工以外の仕事に従事したそうで、それが大阪府庁、つまり公務員だったのです。そしてかなり驚くことを言われました。戦時中までは、あの七つ辻のど真ん中に家があったとのこと!

(画像中央の道・国道310号線が戦時中に作られた)

福本さんによれば、戦前までは七つ辻のような道がなかったそうです。「高野街道では狭い」と、戦時中に軍用道路を新たに敷設することになり、立ち退きを迫られたといいます。これはほんとうに驚きですね。



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(1920年代の古地図をもとに筆者作成)

1920年の古地図をもとに筆者が作成したものです。当時は五つ辻となっていて、黒い部分に建物があったようです。そして福本さんの証言を基にすると、もともとの家は五つ辻の北側にあったことになります。

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そして福本さんの言われる軍用道路とは、現在の国道310号線と317号線です。上の図に赤い道路を追加しました。これで七つ辻になりましたね。そしてふたつの国道は見事に西高野街道と高野街道に並行しています。

少なくとも七つ辻になるまでは福本さんの家があったわけです。その家屋の北西側には小さな丘が確認できますが、どうやらそれが今の福本種苗店がある場所。元々は七つ辻の横にもお店があり、2店舗あったそうです。



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現在は下の店舗があったところを駐車場にして、丘の上だけにお店があります。

戦後種苗店を始めたのは五條の弁財天のお告げ

(画像は五條市の弁財宗総本山如意寺の近くで200メートル先にある)

大工さんの家系だった福本家が種苗店を行うことになったのは、先々代が戦時中は軍需工場で働いたのち、戦後になぜか米穀店で使う道具を手にして戻ってきたからだそうです。そのため、先々代は米穀店を開くことを考えていたそうですが、五條市にある弁天宗総本山の如意寺(にょいじ)で相談したところ「米ではなく種を扱う仕事をしたほうが良い」と弁財天のお告げがあったので、そのお告げ通りに種苗店を始めたとのこと。

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こうして福本種苗店は戦後すぐから店を始めたので、実に80年近くの歴史があります。

お店は先代からということになるので福本さんは二代目とカウントしたくなりますが、福本さん自身が跡を継いだのは比較的最近だといいます。「妹が二代目でやっとったから俺は三代目になるな」とのこと。



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「園芸店やホームセンターでも売っているが、うちは種苗店だから少し違う」と福本さん。種苗店はかつては大阪府に100近くの業者がいたそうですが、今ではずいぶん減って、残っているのはわずか数軒程度といいます。

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(富田林のきらめき農業塾)

ここで福本さんは興味深いことをいいました。河内長野に比べて富田林や河南町のほうが農業の面積が広く、農業塾などでは苗から育てることを奨励します。しかし、河内長野では種から撒く指導をしているそうです。



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確かに、加賀田のかわちながnoraさんでの体験も種まきでした。福本さんによれば面積が狭いと苗から始めるとコスト(苗代)がかかるから種から始めるとのこと。そんな違いがあることを初めて知りましたが、後で写真を見比べても確かにそんな気がしました。

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苗をずっと作っているから苗づくりのノウハウを持っている

業界としては縮小傾向にあるとはいえ、福本さんの所には新規のお客さんが多いそうです。福本さんはホームセンターやほかの園芸店と比べて、自分のところで種から苗を作っていることが今となっては強みになっているといいます。

「ホームセンターなどに比べると高いかもしれない。だがノウハウがある」と福本さん。「ネットの情報も間違っている事が多い。いや、厳密にそれでできないことはないが、ちょっとその指導方法は違うのではと思うことも多い」といいます。



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特に勘違いしやすい点として、同じ品種で年によって同じ日に植えても、結果が同じにはならないことだそうです。「カレンダー上では同じ日でも、毎年気候が微妙に違うから」というのがその理由です。

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(福本さんは土を独自の配合で作って販売している)

そして苗のことに関しては相談を受けることも多く、苗や店で配合している土を購入した人向けに無料で指導することもあるそうです。

土については先代から自分たちで配合して作るそうで、愛知県で機械も購入して最適な土の配合を行っています。実際に手に取らせていただきましたが、確かに市販品とは手触りが異なるしっかりとしたものと感じました。

「みんなやり方がわからないから教えてあげる」と福本さん。種を販売している業者の中には苗を作っている人は少ないそうですが、福本さんは両方で作っているのでノウハウがしっかりあるわけです。

苗に関しては、農家さん向けにまとまった単位での販売の他、家庭用にバラ売りすることもあるそうです。ただし、繁忙期になると時間がとれないため、残念ながらそれができないことも。

最後にこれからの季節のおすすめをお伺いすると「レタス類、ブロッコリー、水菜、菊菜、ほうれん草」だそうです。「サラダ用の野菜はスーパーで買うより、庭の隅やプランターで家庭菜園したほうが結果的に安いのと違うやろうか」と福本さん。



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いくつか苗を拝見しました。まず価格がとても安いです。

そして、画像では少しわかりにくいのかもしれませんが、ひとつひとつの苗が本当にしっかりしているのが見て取れます。

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素人が見ても、ひとつひとつの苗が「活き活きしている」のがわかりました。

土の配合も独自の方法を用いているのもあります。こちらのスイスチャードの葉のツヤも素敵ですね。



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そして説明もしっかり書いてありますが、福本さんに相談もできるのがうれしいですね。

こちらの岡山サラダ菜は虫がつきにくいとのこと。虫がつきやすいとあっという間に食べられてしまいますからポイント高いですね。

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また店内にも苗を育成するのに必要なものを販売してます。

プロの農家さんが使うような道具も多くそろっているので、いつでも福本種苗店さんで道具をそろえて家庭菜園できそうですね。



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余談ですが、私が福本種苗店で買ってきたものを最後に紹介しましょう。岡山サラダ菜ですが、買ってきたときと比べてずいぶん大きくなりました。料理の付け合わせに、1枚とってきて使えるのがとても便利です。

スイスチャードは素人が見ても葉にツヤがあり、活き活きしてます。今すぐにでも食べられそう。急がなければ虫に先を越されてしまいますね。

ということで、福本種苗店さんを取材しました。全国的にも有名な本町七つ辻がある場所に家があったという「地域の生き字引」のお話はとても貴重な気がしました。そして帰りは北側の通称学園通り(長野中学校と長野小学校や教会、幼稚園に面した通り)に坂を下りました。



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福本種苗店の基本情報

住所:大阪府河内長野市西代町9-28
TEL:0721-52-2347
営業時間:9:00~18:00(冬場は早じまいの場合あり)
定休日:月曜日

アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩10分



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この記事を書いた人

奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような唯一無二の文章執筆、情報を発信しています。

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