主に行政など公的情報で住んでいる市民に伝えるべきだと考えた場合は別ですが、一般的にメディアに積極的に取り上げられているような内容、すでに知名度の高いところはあえて取材を避けていることが多いです。

理由はすでに「みんな知っているから」です。それよりも、あまり知られていないところを紹介することで、「みんなに知ってほしい」との思いがあり、そういうところに取材をお願いすることが多いのです。
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しかし、人気があってみんな知っている場合でも特別な事情があれば取材することがあります。例として、4年ほど前につまようじの菊水産業さんが火災被害にあった際に、林業女子会@大阪さんが行った菊水産業さんへの支援活動を行う活動を取り上げました。
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昨年のフルーツラリー&ベジタブルでは、麺坊蕎麦博さんを取り上げました。理由として河内長野を取り上げた映画「鬼ガール!!」で登場した団子を限定復活したからです。どちらもテレビなどのメディア露出が多いため、みんなが知っている「超有名」な方々ですが、状況次第で取材をする場合があるのです。

そして、今回もメディアに頻繁に出ているところ。しかし面白い取り組みがあることを知ったので今回取り上げさせていただくことになりました。それはあかしや台にある保護猫施設のゆきレオ保育園さん(以下、ゆきレオさん)です。

(画像提供:ゆきレオさん)
ゆきレオさんといえば、つい少し前、今年の夏に自宅前に合計20匹の子猫が捨てられていたということで、大々的にメディアに取り上げられました。ゆきレオさんの話では里親(譲渡先)を必死で探したとのことでした。それにしても画像を見る限り洗濯物を入れる網の中に多くの子猫を入れてしまうとは!あまりにも凄い扱いに、今見ても驚きと憤りを感じます。
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(ゆきレオさんはフリースクールと保護猫施設の両方を行っている)
そんなゆきレオさんが、大学生発のチャリティーブランド「EagerBeaver(イーガービーバー)」さんとコラボして、保護猫活動資金に充てる活動をしているという情報を得た私はとても興味深いと感じましたので、ゆきレオさんに取材を申し込み、お話を伺うことになりました。
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大学生発の団体が動物保護団体の支援活動を行う

まずゆきレオさんが、イーガービーバーさんととコラボをする経緯について簡単におさらいしましょう。前提として、近大の大学生を中心とした大学生のグループの、「リユースによるSDGs」の精神に基づいて運営されていた「らるるマーケット」がありました。その後、2023年6月に塚本穂高さんがらるるマーケットを引き継ぐ形で、代表を務めるイベント企画「れじおんマーケット」(外部リンク)を立ち上げました。

(画像提供:イーガービーバーさん)
れじおんマーケットは、SDGsの精神に加えて「人と人のつながりを大事にする」マーケットイベントとして現在に至るわけですが、その中に「わんわんフェスタ」があります。わんわんフェスタの中には「犬の譲渡会」もあり、イベントを通じて犬や猫の保護団体への支援活動も自然に行うようになりました。
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(画像提供:イーガービーバーさん)
そんな中で誕生したのがイーガービーバー(外部リンク)さんです。これは保護支援団体をもっと金銭面で応援できないかと、塚本さんが代表として、広報担当として小暮慶太さんが参画して立ち上げたチャリティブランドです。背景には、わんわんフェスタを運営している時に、頑張っているのにまだまだ知られていない保護団体が多くいることを出店者さんの情報から得たからです。

(画像提供:イーガービーバーさん)
そこで「アパレル」を通じて、もっと気軽に保護支援団体の理解や応援をできる場としてブランドを立ち上げることになりました。その精神に共鳴したのが奈良でオリジナルのTシャツをプリントする事業を行っている合同会社DOUBLE TIDE(外部リンク)さんです。DOUBLE TIDEさんの協力により、イーガービーバーさんの支援活動が実現しました。

(画像提供:イーガービーバーさん)
具体的な支援活動は、支援団体を象徴するデザインをプリントしたTシャツやトレーナー、パーカー、エコバッグなどのアパレルを受注販売すること。つまり受注がない限り生産しないので、余計な在庫を発生させない特徴があります。そして、売り上げの一部を支援団体の活動資金に充てられるものですが、恒久的ではなく期間限定で行っています。実際にゆきレオさんの前にも、複数の保護支援団体を応援している実績があります。
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ススキで有名な岩湧山にいた子も保護!ゆきレオ保育園の活動は頭数制限を重視

ゆきレオ保育園は、「保育園」とありますが、人ではなく保護猫が対象となっています。そのため第一種動物取扱業登録「販売」「展示」を行ったうえで、2021年に創業しました。保育園といっても実際には個人の自宅を改装して行っているため、実際に保護可能な猫の数が限られており、頭数制限をしているとのこと。
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そのため里親探し(譲渡活動)は積極的に行っているそうです。「この前の20匹の時はいつもより必死で里親を探しました」と福本亜弥代表はそう言います。一時的に増えたものの、メディアの効果もあって多くの里親が決まったため、取材時は33匹の保護猫が在籍していました。

ではなぜ保護猫活動を始めたのでしょうか。福本代表は、「娘の不登校」と語りました。当時小学生の娘さん(現:中学生)は、不登校で引きこもりになってしまったのですが、以前3匹の猫を飼っていたこともあり、保護猫活動をすれば良いのではと考えました。

そこで最初は保護猫団体の手伝いを行いました。しかし、外で手伝う活動を続けると経済面も含めて疲弊してしまう。それなら独立したほうがよいのではということで、娘さんも同意したことから独立。15匹から保護猫活動を始めました。
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(表:ゆきレオさん公式ページより筆者作成)
ゆきレオさんの公式ページによると活動内容は次の通りです。
- TNR活動 → 野良猫や飼い主のいない猫を捕獲し避妊手術を行った後に元の場所に戻す。
- 猫の保護 → 保護しなければ生きていくのが難しい猫の保護。
- 猫の里親探し
- そのほか猫に関すること

在籍している33匹の猫にはどれもエピソードがあり、すべてを書くと大変なことになるので、「黒い子、メイちゃん」の事例を紹介しましょう。それはタイトルにも使った岩湧山山頂にいた子猫です。
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「山頂で捨てられたのかな」という福本さん。山頂で彷徨っている猫として登山者の間で有名になり、見つけると弁当などのお昼ご飯を与えていたそうです。しかし、登山者の人たちも、山に登るたびにやせ細っていく「黒い子」を心配していました。

(山頂付近にロッジがある大和葛城山)
金剛山や大和葛城山と違い、岩湧山には山小屋も売店もなく、滝畑自治会が管理するススキなどの茅の畑と、山頂を示す看板とベンチがあるだけです。つまり食べ物は登山者の弁当の残りしかない過酷な環境。
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そして今年のGWの時に、ある登山者からゆきレオさんに「黒い子猫の保護をしてほしい」と通報がありました。ゆきレオさんは黒い子を保護するために岩湧山に登りましたが、なぜか山頂にはいなかったのです。

「どこに行ったのだろう」と、福本さんは山を下りて車を走らせていると、登山者からの情報に似た子が道路を歩いているのを見つけました。ゆきレオさんが車のドアを開けて食べ物のにおいを出すと、とても痩せてた黒い子はそのまま飛び乗り、無事保護されたのです。

5月に保護されたことから「メイ(May)」ちゃんと名づけられました。メイちゃんはやせ細っていたのに、保護されてから充分な栄養が与えられたお陰で、画像の大きさにまで太り、また毛つやもとてもきれいになりました。その情報を知った登山者の人たちも、みんな安心してくれたそうです。
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ただサバイバルを経験しているために、十分な食事を与えているのにも関わらず、人が食べている弁当を狙う行動を起こす場合もあるとのこと。取材時は、おとなしくテーブルの周りを徘徊しているだけでした。
全国的にも珍しいフリースクールと保護猫施設の共存では意外な効果も

ゆきレオさんは、保護猫の保育園に加えてもうひとつ、フリースクールも行っています。理由として、娘さんのように引きこもりの子どもたちを救いたいという思いがありました。

限られたスペースというのもありますが、フリースクールは少人数制にこだわっています。福本さんに理由を伺うと、「フリースクールは学校にいけない子どもたちが通う場所、ところが究極的に引きこもりで苦しんでいる子は、人の多いフリースクールにすら行けないのです」といいます。
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だから少人数制でフリースクールを営んでいるということで、最初は黙っている子も猫とのふれあいからスタートします。そして少しずつ打ち解けてきて会話をするようになり、さらに慣れてくると猫のお世話の掃除などの手伝いも、積極的にしてくれるようになるそうです。

「日本ではまだ広がっていない猫のアニマルセラピーを、保護猫活動を通じて広げていきたい」と福本さん。保護猫を通じて自信を失った子どもや若者たちが、心の元気と自信を取り戻してもらえるきっかけになればと福本さんは考えています。

ただし、保護猫はフリースクールの子どもでも安心して触れられるような訓練をしているわけではないので、そこは注意してほしいといいます。

とはいえ、他の保護猫団体で、フリースクールとの共存をしているゆきレオさんに対して眉をひそめているところもあるのは事実です。
「おそらく理由は日本全国でも珍しいから」と福本さん。しかし、実際には共存することでアニマルセラピーの効果が期待できるため、遠方からの問い合わせも多いそうです。

「本当はもう少し拡張するなどできたらいいけど」ということなのですが、現実問題としてお金の問題も人的な問題の両方で課題があるため、現状では新規は断らざるを得ない状況とのこと。

それでも新しい動きがあります。それは寺元のおとぎ屋さんとのコラボです。おとぎ屋さんの離れを新たに用意し、そこで保護猫と楽しめる空間ができればと計画中です。具体的な内容は来年以降ですが、実現に向けたクラファンの募集などを検討しているそうです。なお、最新の動きについては、ゆきレオさんの公式ページやinstagramをご覧ください。
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イーガービーバーとのコラボレーションは11月16日日曜日までです。

(画像提供:イーガービーバーさん ゆきレオさんをイメージしたデザイン)
メディアに多く出ていることや支援者もいるため、どうにか保護猫活動を続けられているという福本さん。しかし自分たちの生活がカツカツで、一時はバイトを3つ掛け持ちしたこともあるそうです。朝まで仕事をして朝にまた別のバイトに行く、昼間に少し仮眠してまた仕事。そんな風に、がむしゃらに保護猫のために頑張ってきたからこそ、イーガービーバーさんからの支援の話はとてもうれしかったとのこと。
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(画像提供:イーガービーバーさん)
イーガービーバーの小暮さんによると、支援対象となる団体をSNSなどで調べ上げた上で、対象団体を絞っているそうです。今回ゆきレオさんに支援することになったのは、保護猫活動に加えてフリースクールも行なっている点に関心を持ったからです。「ぜひお手伝いできれば」と考えて、声をかけました。

(画像提供:イーガービーバーさん)
すでに11月1日から始まっていて11月16日までなので残りわずかですが、ゆきレオさんやイーガービーバーさんの取り組みに興味を持たれたらTシャツやパーカーなどの購入を検討してみてはいかがでしょう。販売はイーガービーバーさんのwebサイトで行っています。

「頻繁に取り上げてくださるのでメディアに対して、最近気を使わなくなりました」と福本さん。本当の姿を知りたいと考えている他のメディアさんもそのほうがよいと思いますし、今回の取材も自然体で応じてくださいました。ゆきレオさんは猫の里親探し(譲渡会)は、これからも積極的に行っていますし、公式ページからも募集をしている子が紹介されています。猫を新しい家族として迎えたいと考えている方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょう。
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保護猫施設のゆきレオ保育園&NPO法人フリースクールゆきレオ(外部リンク)
住所:大阪府河内長野市あかしあ台1丁目1-17
アクセス:南海滝谷駅から徒歩20分
instagram
EagerBeaver(イーガービーバー)(外部リンク)
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この記事を書いた人
奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような情報を発信しています。
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