【河内長野市】秋祭の足音が聞こえる!河内長野各地でどんな伝統行事があるのか貴重な記録動画を見てみよう
暑さ寒さも彼岸までといいますが、昼間は相変わらず暑さが残るものの、空は秋らしさを感じるようになりました。同時に秋の虫も鳴き始めています。そして朝夕は少しずつ過ごしやすくなっているような気がします。

一部の田んぼではすでに稲刈りが終わっていますが、多くの田んぼは10月に稲刈りが行われます。そして稲刈りの頃には秋祭りが行われます。河内長野に限ったことではありませんが、この地域の秋まつりと言えば地車の曳行です。

すでに河内長野の町を歩いていると地車曳行のための交通規制に関する案内が出ていて、お祭りが近いことを知らせてくれます。また夜になると提灯が点灯し、今年もいよいよ秋まつりなんだと感じさせてくれます。

しかし、河内長野の場合は獅子舞や神楽、馬かけ、提灯行列など、地車以外のお祭りも多くあります。特に毎年10月のスポーツの日がらみの連休は、各地で地車の曳行に加えて、様々な秋のお祭りが行われます。なので、この日はいつもどこに行こうかと迷うほどです。

8月24日に、河内長野市の伝統行事を記録撮影した「歳時記プロジェクト」のビデオ上映会がキックス4階のイベントホールで行われました。動画に収録された15本の伝統行事の紹介です。上映会では15本の記録映像を一気に見ようというもの。完成した動画は、現時点では夏のものがなく冬と春と秋です。特に秋の中でも秋祭りの時期に集中しています。
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撮影現場には過去に立ち会ったことがあります。日野獅子舞の練習風景や流谷の八幡神社、蟹井神社の提灯行列などです。

また今年は天野山金剛寺の百味飲食の供え物を作っているる様子が取材できました。
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河内長野版歳時記プロジェクトのWeb編(外部リンク)では、3分程度の動画をYoutubeで公開しているのでいつでも見られるのですが、この日は普及編で、15分間という少し長めのビデオ上映会でした。

(市制70周年の時、市役所に設置されていたディスプレイで拝見)
昨年河内長野市制70年の記念イベントでも放映されていましたので、その時にも拝見しました。当時は10本近くの紹介ビデオがあったのですが、さらに数ヶ所追加し、2025年9月現在、総数が15本になっています。
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(高向神社の秋季例大祭 Web編)
地車に関してはあえて触れていないのかなと思ったのですが、高向神社の秋季例大祭の一連の神事で高向の地車が登場していました。

この動画の素晴らしいところは、祭りだけでなく、非公開となっている加賀田神社のオコナイや下里の子どもが家を訪問する亥の子など、なかなか見られない行事も紹介している点です。
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(清水の荘厳祭 Web編)
また、非公開と紹介されていなくても、南海千早口駅近くにある清水地区で行われる荘厳祭のように、地元の人だけで行われる小さな行事の紹介もあるので、とても貴重な記録だなと感じました。
(石見川の神縄懸 Web編)
さて、今回の中では個人的に、縄かけに関する3本のビデオ上映が興味深かったです。流谷の八幡神社の勧請縄かけ神事は有名ですが、それ以外にも五條市と市境近くにある石見川地区の神縄懸、その手前で千早赤阪村の金剛登山口方面との分岐点にある小深地区の勧請注連縄吊りなど、流谷以外の同様の神事、地域の行事が行われていることを、今回初めて知りました。
(小深の勧請注連縄吊り Web編)
いずれも山深いところで、市の面積で山の部分を多く占める河内長野だからこそ代々受け継がれていたのかなぁと感じました。そして、動画撮影して記録することの重要性もさることながら、これらの行事は河内長野市民でも知っている人もそれほど多くないと考えられるので、知ってもらうきっかけになるのではと思いました。
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さて、上映会の後は1階のロビーでふたつの伝統芸能が行われました。

伝統芸能の披露に先立ち、小川教育長からの挨拶です。

河内長野歳時記プロジェクトを担当する吉村さんからの説明です。吉村さんはビデオ上映会の時も説明をしてくださいました。

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最初に行われたのは西代神楽です。

西代神楽は西代神社で何度も拝見したことがあるのですが、キックスの1階で行われると、音楽が吹き抜けホールで反響し、いつもとは違った「響く」中での演奏となっていました。

そして次に行われたのは日野地区獅子舞です。狐が登場してコミカルな踊りを行う「地巣籠りの舞」を披露していました。
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日野獅子舞は万博の奥河内音絵巻2025「日月山水タイムマシン」にも登場していました。河内長野の伝統芸能のひとつが世界で紹介されたことから、獅子舞の存在が広く知れ渡り、ますます人気が高まりそうです。

キックスでの披露は終わりましたが、どちらもまもなく行われる秋祭りのタイミングで生で披露されますので、お時間があれば見に行かれてみてはいかがでしょう。もし見られなくてもどのような伝統芸能なのかはYoutubeで気軽に見られますのでぜひご覧になってください。
- 西代神楽 10月10日金曜日の夜(西代神社)
- 日野地区獅子舞10月10日金曜日の夜(みのでホール)、10月11日土曜日の昼(高向神社)
(天神社の提灯祭り)
ちなみに提灯の行列ですが、流谷の八幡神社、蟹井神社、さらに滝畑の天神社で行われます。おそらく滝畑は車がないと厳しそうですが、後のふたつは南海天見駅から徒歩圏内なので、南海電車で行けます。
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河内長野私立市民交流センター(キックス)
住所:大阪府河内長野市昭栄町7-1
アクセス:市民交流センター前バス停下車すぐ
この記事を書いた人
奥河内から情報発信
大阪府河内長野市在住の地域ライター・文筆家。2021年に縁もゆかりもない河内長野に移住し「よそ者」の立場で地元の魅力・町が元気になるような情報を発信しています。